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kurOa 選手による『World Cyber Games 2010』参加レポート

World Cyber Games
World Cyber Games 2010』に StarCraft部門の日本代表として出場した kurOa 選手のレポートをお送りいただきました。

kurOa 選手は『ZOWIE GEAR』および『PC Ark』のスポンサードを受けて同大会に出場しています。

kurOa 選手による『World Cyber Games 2010』参加レポート

予選グループ試合総括

予選は 1 本勝負の総当たりグループ戦で行われました。
グループリーグ A の事前の予想としては、韓国代表の Jaedong 選手と、中国代表の f91- 選手が、他を大きく離して通過するだろうとの予想でした。
両選手ともこれまでの大会で実績を上げており特に Jaedong 選手は、現在世界ランキング 2 位の選手です。しかし、f91- 選手は大会直前に新しくリリースされた Starcraft2 にフォーカスしていた為か、あまり Starcraft の勝負勘が冴えてなくポーランド代表の Yayba 選手と Jaedong 選手に負けてしまい予選グループリーグ敗退という結果になってしまいました。
予選グループ A からは韓国代表 Jaedong とポーランド代表 Yayba が通過しました。
私小池の予選グループ最終成績は残念ながら4戦0勝4敗となりました。

決勝トーナメント感想

決勝トーナメントは BO3 のシングルイルミネーションで行われました。
まず印象に残ったのは、予選 A グループ 2 位の Yayba 選手が予選 D グループ 2 位の White-Ra 選手に対して 2-1 で制したのが印象的でした。
White-Ra 選手に、試合後伺った話だと「基本的にマクロは負けてなかったが、ユニットコントロールで大きくミスを連発してしまい、本来負けるべき相手ではない Yayba 選手に負けてしまった。」とのことでした。
その後の優勝争いは韓国代表の Jaedong 選手と Flash 選手だったはずなのですが、トーナメントの都合上、両選手が準決勝で当たってしまった為、決勝戦が Goojila 選手 vsFlash 選手になったのも印象的でした。
今大会での一番の番狂わせを演じてくれたのは 4 位に入賞した Yayba 選手だったように思えます。
そして、その準決勝で行われた Jaedong 選手 vsFlash 選手の試合はどれも接戦で、素晴らしい内容の試合でした。内容を上手く伝えることが出来ないほどのハイレベルな戦いを見ることが出来ました。

試合分析 1試合目

試合分析 1試合目
vs Korea Jaedong (Zerg)
ゲーム序盤 Jaedong 選手の 2ndBase 建設を自軍の Pylon 建築で妨害し止める。これで有利にゲーム展開を進めようとしたが、相手の早めの Zergling 攻撃に対して 2 個目の防御用 Cannon が 20 秒という大幅な遅れてしまった。その為、相手の Zergling の自陣侵入を許し、7Worker を失い。防衛の為に Worker を使わざる得なかった。その間、資源を掘れず資源面で多大なダメージを被る。その後、2ndBase を確保し、相手は最速で空中 Unit の Mutalisk を生産することを予想できていたため、防衛用の Cannon を建築するも間に合わず投了し、試合終了

試合分析 2試合目

試合分析 2試合目
vs China f91- (Zerg)
序盤の展開はお互い 2ndBase を確保しつつ覗うという一般的な展開となる。
中盤 Mutalisk による空中からの偵察を兼ねたハラスを受けるも、こちらのディフェンスの数を見て無理と判断し一時撤退。
その後、2ndBase 固めと、Upgrade を相手は行う。この内政固めを見て Zealot, Dragoon, High Templar の数を揃え、数回攻撃を行うもいずれも失敗。以後、相手は自陣入口の丘を Lurker, Hydra, Zergling で防御を固め、決定的な攻撃は行わずコストの安い Zergling のみによるハラスを行ってくる。
そして、ゲーム中盤で相手の Zergling, Defiler のコンビネーションにより、壊滅的なダメージを受けるもベースをとりつつ奮闘する。しかし Zerg のヘビーユニット Ultralisk が出て到底復帰できないと判断、投了し試合終了

試合分析 3試合目

試合分析 3試合目
vs Poland Yayba (Protoss)
この相手に対して種族がミラーということもあり、序盤の細かい責め合いからは差がなかなか生まれないため、上位 Unit である Dark Templar から Adun, Archive とアップグレードを活かし SpdUp Zealot, Archon でプレッシャーをかけつつ Map Control を確保した上で、相手より早い段階で 2nd, 3rd を取る手法を試みる。しかし、本来 2nd 建築後すぐ作るはずの Forge そして防御用 Cannon が遅れ、相手の Dark Templar 輸送により自陣が壊滅的ダメージを受けて投了し、試合終了。

試合分析 4試合目

試合分析 4試合目
vs Russia Advocate (Terran)
この相手に対しては Tau Cross というマップの特性上、狭い進路に Pylon1 個を建築することによって、ユニットの出入りを妨害することが出来るので、それを利用し相手の偵察を妨害、そしてもうひとつの Base を早めに取ることにより、相手より資源的優位に立つことを可能にする手法を用いました。
しかし相手の Tank, Marine, Vulture による序盤の Rush に対して Dragoon で相手の Marine を削るもベースの入口を Pylon で塞ぐのを忘るというミスを犯し、そのままベースに入られた為、続行不可と判断し投了、試合終了となりました。

WCG2010 総括

今回の WCG2010 において良い成績は残せなかったものの、世界というレベルの高い舞台で戦い、生で経験できたことは自分にとってすごくプラスに働きました。
また、世界のトッププレイヤー達との交流も持て、プライベートでも仲良くなることができました。その関係を無駄にしないためにも、今後は Starcraft だけではなく、Starcraft2 も続けてやってみようというやる気に繋がりました。

同じ Starcraft 日本代表として戦った楠本“ nazomen ”翔選手は、同じく予選リーグ敗退で終わってしまいましたが、鉄拳の日本代表として戦った Abe “アオ” Akihiro 選手、kitahara “ほんだ” shutaro 選手は、それぞれ、銀メダルと銅メダルを獲得し、日本の存在感を示すことができました。

このような素晴らしい経験を積ませてくださった関係者の皆様、日本予選を主催してくださったテクノブラッド様、大会のスポンサーを(株)ソリッドレイ研究所様、そしてスポットスポンサーをして頂いた PC Ark 様、ZOWIE GEAR 様、練習場所を提供して頂いたポジション 2 様、WorldPC 様、本当にありがとうございました。

情報元

この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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コメント (0)
  1. matsujun より:

    Starcraft2 での大会参加お待ちしています ;)