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Team Secretの賞金未払い問題に関連するチーム内部事情にEternaLEnVy選手がブログで言及

himitsumonogatari

2016年9月に Europe Team SecretのDota 2部門を脱退した Canada Jacky “EternaLEnVy” Mao 選手が、チームの賞金未払いに関連するブログエントリを公開しました

EternaLEnVy選手がTeam Secretの賞金未払い問題にブログで言及

2016年2月、元Team SecretのマネージャーEvany Chang氏が同チームの賞金未払いに関連する下記の投稿を行ないました。

こちらでは、Team Secretが賞金を支払わないことについて時系列で経緯が紹介されています。

チームマネージャーのMatthew “Cyborgmatt” Bailey氏がチームの銀行口座開設問題等で賞金を支払う事が出来ない状況であることを説明しつつも対応が一向に進まない、というのがこの時のザックリとした経緯です。

この記事が公開された後も、Team Secretサイドからは本件に関する声明は特に出ていないと認識しています。

それから約8ヶ月が経過して、新たな情報として出てきたのが今回のEternaLEnVy選手による「A Secret Story」というブログ記事です。ちなみに、日本のアニメ好きとして知られるEternaLEnVy選手は、この記事のファイル名を「himitsumonogatari.html」としていました。

A Secret Story (himitsumonogatari)

この元記事ですが、300行、7000語オーバーという読むだけでも一苦労な代物です。

重要そうなところをまとめて紹介しますが、元がEternaLEnVy選手の私情が入った記事であることや、下記は全体から抜き出したものであるためある程度の偏りがある情報という認識で読んでいただければと思います。

また、個人攻撃と取れる内容も含まれているのですが、自分がお伝えしたいのはそういうことではないので、そのあたりについては取り上げませんでした。

正しく内容を知りたい方は、原文の方をお読みください。

まずは文章に登場する人物等を簡単に説明しておきます。

登場人物

マネジメント側

  • Turkey Kemal Sadikoglu – Team Secret ディレクター。
  • United Kingdom Matthew “Cyborgmatt” Bailey – Team Secretマネージャー。
  • Estonia Clement “Puppey” Ivanov – Team Secret Dota 2部門キャプテン

選手側

  • Canada Jacky “EternaLEnVy” Mao – 今回の記事を書いた本人(元Team Secret、現Team NP)
  • Sweden Evany Chang氏 (元Team Secretマネージャー、現Team OGマネージャー) 以前に未払いに関する投稿を行なった
  • Denmark Rasmus “MiSeRy” Filipsen (元Team Secret、現Digital Chaos) – 未払いが発生していたが支払いを勝ち取ったもよう。後日本件に関するブログ記事を公開予定とのこと。

基本的にはお金を支払わないマネジメント側、正当な対価を払って欲しい選手側という対立構造になっています。

キャプテンのPuppey選手については選手達に支払いやチームの対応について説明するマネジメント側の人間と判断出来る内容となっていました。

内容の抜粋紹介

  • Evany Chang氏の告発記事が出た後、Kemal氏とPuppey選手がチームメンバーに対して、未払いが起きることはないことを説明
  • トーナメント運営者はTeam Secretに対して賞金を支払っている。しかし、Team Secretのマネジメントは選手が支払いを求めて動かない限り支払いを行なわない。
    • MiSeRy選手は2016年9月26日に支払いが行なわれるまで182,000ドル(約1875万円, $1=103.05円)、EternaLEnVy選手は9月14日時点で360,000ドル(約3700万円)が未払いとなっていた
  • チームが獲得した賞金が支払われる際、事前の合意なく「10%」が手数料としてマネージャーに差し引かれていたことが明らかになった
  • EternaLEnVy選手がカットされた10%分の29,333ドル(約303万円)はいまだに支払われていないが、もう諦めている
  • 「100TB」「Nvidia」「EGB(Egaming Bets)」はチームスポンサーではあるが、現金支払いでのスポンサード契約ではない。提供された製品を渡すと言われて、選手がいまだに受け取っていないものがある
  • 給与を支払うという約束をされたが実際に支払いは行なわれていない
  • Team Secretのマネジメントはチームに関する全てをオープンにすると言っているが、スポンサードの内容等、実際に詳細が伝えられたことはない(説明されたとしてもウソだったり、回答の先延ばしだったりと誠実な対応ではない)
  • PandaTVとのストーリーミング配信契約は、実際に行なわれた配信が契約で決められた時間を下回る結果となり、3ヶ月で打ち切られた
    • PandaTVが最初にオファーしてきた報酬は50万ドルだったが、The Shanghai Major 2016で優勝した後には100万ドル+25万ドルになったほどの規模の契約
  • PandaTVで配信を行う時間を交渉した結果、チームで月間合計250時間ということになった。最終的にPuppeyとArteezyが30時間ずつ、EternaLEnvyは60時間、他の2人は特に規定なしという配分になった。EternlEnvyは3ヶ月の間に毎月36時間、82時間、98時間の配信を実施しノルマ2回クリア。元記事で表を確認出来るが、EternlEnvy選手以外はほとんど配信をしておらず月間配信の合計は最大で130時間ほどだった
  • この配信の報酬支払いについても色々揉めている

元記事では、マネジメント側の各人物とのチャット画面のキャプチャ画像も証拠として掲載されています。

また、個人に関連するようなエピソードもかなり掲載されており、マネジメント側が全く誠意のある対応をしないからこその今回の記事、ということなのだとは思いますが、個人的には読んでいて相当にうんざりしたというのが正直なところです。

EternlEnvy選手は口約束だけで物事を進めていて契約書を残さなかったことについては自分に落ち度があることとしていました。

今回の記事は個人的にかなり残念な内容で、サイトでこのことを紹介するのはどうなのかと悩みました。近年、「eスポーツ」が改めてかなりの注目を集めるようになり、海外では大きなお金が動くような状況となっていますが、世界トップクラスのプロゲームチームと言えども実態はこのレベルであるというケースが明らかになりました。

eスポーツに限らず、お金、物品、労働などに関する契約を行なう時は、このように後から問題となる事がないよう内容を確認したり、口約束でなく必要であれば記録を残しておくことをお忘れ無く、というのが今回の件からお伝えできる教訓ではないかと思います。

情報元

この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

https://twitter.com/YossyFPS/
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