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『eスポーツ』を学術的に検証・調査する『日本eスポーツ学会』設立

日本eスポーツ学会設立総会
『日本eスポーツ学会設立総会』が東京・新橋の電通本社ビルにて本日行なわれ、『eスポーツ』を学術的に検証・調査して社会に発表して還元していくことを目的とした『日本eスポーツ学会』が設立されました。

日本eスポーツ学会設立総会

総会では、学会設立の宣言と共に以下のようなことが実施されました。

日本eスポーツ学会設立総会 式次第

  • 議決行使人の選定
  • 理事・監事・会長・副会長の選出
  • 会則の承認
  • 他団体との連携についての検討 (後に承認)
    • 「日本eスポーツ協会設立準備委員会」との連携
    • 「日本スポーツマネジメント学会」との連携
  • 今後の活動についてのディスカッション

学会の呼びかけ人、発起人、理事は以下のとおりです。

呼びかけ人・発起人・理事

呼びかけ人

  • 馬場章 – 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授
  • 原田宗彦 – 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授
馬場章 会長 原田宗彦 副会長

馬場章 会長(左)、原田宗彦 副会長(右)

発起人

  • 犬飼博士 – エウレカコンピューター株式会社 eスポーツプロデューサー
  • 江頭満正 – 多摩大学 客員准教授
  • 江原淳 – 専修大学 ネットワーク情報学部 教授
  • 木本敬巳 – ぴあ株式会社 上級執行役員
  • 吉良俊彦 – 大阪芸術大学 キャラクター造形学科 客員教授
  • 坂元章 – お茶の水女子大学 大学院人間文化創生科学研究科 教授
  • 笹生心太 – 東洋大学 非常勤講師
  • サンプラザ中野くん – 株式会社eスポーツ北海道 会長
  • 杉山淳一 – 工学院大学 情報デザイン学科 非常勤講師
  • 武邑光裕 – 札幌市立大学 デザイン学部 教授
  • 田村繁幸 – テトリス株式会社 プロデューサー
  • 馬場章 – 東京大学 大学院情報学環・学際情報学府 教授
  • 浜村弘一 – 株式会社エンターブレイン 代表取締役社長
  • 原田宗彦 – 早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授
  • 福冨忠和 – 専修大学 ネットワーク情報学部 教授
  • 藤本淳也 – 大阪体育大学 体育学部 教授
  • 古川良治 – 成城大学 社会イノベーション学部 教授
  • 堀田尚平 – 株式会社クレオハウス 代表取締役
  • 前田融 – 有限会社ティー・イー・ディー 代表取締役
  • 松本恭幸 – 武蔵大学 社会学部メディア社会学科 准教授
  • 宮尾英水 – Tokyo Game Night プロデューサー
  • 山口浩 – 駒澤大学 グローバル・メディア・スタディーズ学部 准教授

理事

理事

本日出席した理事の方々
  • 会長: 馬場章 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授
  • 副会長: 原田宗彦 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授
  • 理事:
    • 木本敬巳 – ぴあ株式会社 上級執行役員
    • 浜村弘一 – 株式会社エンターブレイン 代表取締役社長
    • 福冨忠和 – 専修大学ネットワーク情報学部 教授
    • 藤本淳也 – 大阪体育大学体育学部 教授
    • 日本eスポーツ協会設立準備委員会より1名予定
  • 監事: 江原 淳 – 専修大学ネットワーク情報学部 教授

ディスカッションの部では、今後どのような研究がなされていくべきかという議論が行なわれ、主に以下のような提案が出されました。

研究議題案

  • プレイヤー育成についての研究
  • 競技タイトルとなるゲームの評価やルールについての研究
  • eスポーツをすることによるメリットについての研究
  • eスポーツの社会認知に関する研究
  • ゲーミングデバイス研究
  • ゲームに対するマイナスイメージや非科学的な理論についての反論・証明についての研究
  • eスポーツとリアルスポーツの融合で発生する様々なシナジー効果についての研究
  • 一般ゲーマーとeスポーツプレーヤーのゲームに対する取り組みの違いについての研究

これらについては、『日本eスポーツ学会』による共同研究や、学会正会員個人の研究対象とされていくかもしれません。

『日本eスポーツ学会』が設立されたことによりどうなるのか、といえば、eスポーツという分野の対する研究進められ発表されていくことにより、社会的認知の向上や各分野の促進につながっていくのではないかと思います。

『日本eスポーツ学会』の公式サイトは12月中に立ち上げ予定で、こちらでは活動趣旨や研究発表の報告、学会正会員の募集などについて掲載されていく予定とのことです。

サイトが立ち上がりになり次第、また紹介いたします。

以下は、eスポーツ学会設立の呼びかけ文となります。

eスポーツ学会設立の呼びかけ-新型スポーツの研究で豊かな21世紀社会を築く-

スポーツの歴史と現況
 私たちは、古来、さまざまな方法で人の生活を豊かにしてきました。それは富を得るための経済活動のみならず、文学・美術などの精神活動、そして、今日スポーツとして多様な種目と形態を生んでいる身体活動があげられます。
 身体活動は、動物としての人間のいわば本能に由来しています。しかしながら人間は、生きるための狩猟・採集生活から余暇を独立させ、身体活動をスポーツに進化させました。その長い歴史の過程で、人間は、スポーツのルールを制定し、体制化して、豊かな身体文化、スポーツ文化を育んできたのです。
 現在では、スポーツは私たちの生活に広く根付き、アマチュア、プロフェッショナルのプレイヤー対象とする、多様な種目と競技会が存在しています。そして、スポーツは文化のひとつとして、世界の友好にも重要な役割を果たすようになりました。

eスポーツとは
 また、今日、未来型の新たなスポーツとして注目されているのがeスポーツです。eスポーツとは、人間の身体活動をコントローラーを通じて電子データ(信号)に置き換え、デジタルゲームのシステムを使って競い合う新しいスタイルのスポーツです。
 世界に目を転じれば、すでにeスポーツは、新たなスタイルのスポーツとして認知され、若者を中心に多くのプレイヤーを獲得しています。そして、世界レベルのeスポーツ競技会も実施され、プロフェッショナルのプレイヤーも存在しています。
 eスポーツは、インターネットを通じてプレイするゲームなので、地域や年齢・性差を問わず、また、さまざまな障がいの有無に関わりなく、文字通り垣根を超えて楽しめるスポーツとして注目されています。

デジタルゲームの現況
 しかしながら、国内に目をやると、デジタルゲームは、すでにわが国を代表する世界的な産業として成長してきたにもかかわらず、デジタルゲームの負の側面が強調され、それが持つ正の側面をまったく無視する論調が少なからず見受けられます。近年、わが国でもゲームセンターや家庭で身体性を伴うゲームが普及してきましたが、まだその動きは一部にとどまっています。その結果、デジタルゲームを用いて競い合うeスポーツの国内における発展を妨げてしまっているのが現状です。その背景のひとつには、eスポーツ研究の遅れにあると考えられます。

eスポーツ学会の目的と意義、役割
 eスポーツ研究の目的は、従来のデジタルゲーム研究やスポーツ研究に加えて、e-スポーツの社会的意義や、eスポーツが人間の身体に与える正負の影響を解明し、eスポーツタイトルゲームの評価方法やeスポーツによる地域振興・経済振興の研究など、多岐に渡るとともに応用的・実践的な課題が存在します。
私たちは、如上の研究課題を解決し、eスポーツをIT社会における未来型の新たなスポーツとして捉え、それを社会に根付かせ、発展させることが必要と考えます。そのために、e-スポーツに関心を持つ、研究者・行政関係者・学生・プレイヤーが、eスポーツをともに研究するコミュニティとして日本eスポーツ学会の設立をここに呼びかけます。eスポーツ研究に関心をお持ちの皆さんに広く参加を呼びかけます。

2009年11月吉日

eスポーツ学会 設立呼びかけ人
東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授 馬場 章
早稲田大学スポーツ科学学術院 教授 原田 宗彦

この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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コメント (0)
  1. liuze より:

    こういった研究者らは、eスポーツが国内普及していないと言っている一方で、日本において非常に多くのプレイヤーを抱える格闘ゲームやサッカーゲームもeスポーツに含まれると主張しています。そのため、私には彼らの言うところのeスポーツとは何なのかが全く分かりません。私はeスポーツとはFPSやRTSのことだと思っていたのですが、どうやら違うようです。今は海外のFPSもすぐさまローカライズされ日本のどこでも買える時代にもかかわらず、日本でFPSやRTSが流行る兆しは全くありません。今後、FPS、RTS好きの夢見るeスポーツ活性化はあり得ないだろうと断言できます。

  2. Chlorophos より:

    eスポーツ振興に向けた、法整備への布石と考えてよいのでしょうか?

  3. MatsU より:

    今の自分はもうeスポーツの世界に身を投じることが出来ない
    もう少し早くeスポーツの事に目を向けて動き出して欲しかった

  4. geri より:

    全て含めてワロタ

  5. kinnkyuu より:

    どいつもこいつもFPSなんか一度もやった事なさそうな連中ばっかだな
    著書や記事書いて儲けるために学会開いてるとしか思えん

  6. Toxic.Node CSO より:

    FPS こんなに面白いのにねえ・・・。
    一般人からすれば、怖いゲームって印象しかない。

  7. Kitacchi より:

    >>liuze
    スポーツって広い意味では”競技”って意味な訳だし別にFPS/
    RTSに限らないんじゃないの?

  8. ReadAlpha より:

    僕はeスポーツが流行らないとは思いません。なぜなら、日本人がeスポーツを、本質的に受け入れることができない理由がないからです。
    流行らない原因は今まで何度も議論され、いくつもの候補が挙げられました。もちろんその中には「ゲームをスポーツと考える柔軟性が日本人にはない」などという、日本人の性格に関係する原因はいくつかあります。しかしそれらは意識の問題の範囲内だと思います。決定的な理由ではありません。
    どうしても受け入れれない理由がない限り、流行る可能性がないなんてことはないと思います。
    ただ、僕の意見を言うなら、活発化させるための基盤が上手く築けないというのが大きな原因と考えるなら、それは中々難問だということです。

    liezuさんのレスポンスのために書いたつもりだったけど読み間違えて完全に一個人の主張になってしまいました。ごめんなさい

  9. akisaya より:

    個々の目的はあるにしろ「eスポーツには、学会を設立するだけの何かしらの"魅力"がある」と考えていることは嬉しいです。ゲームに関係なさそうな人が多いとなおさらです:)

  10. kuraspa より:

    そもそもFPSの認知度が低いし、そのコミュニティも閉鎖的になりやすい。

    ゲームをプレイしてないからといちゃもん付ける人達がたくさんいることが閉鎖的になりやすい象徴のような気がしてならない。

  11. Sizuken より:

    >#1 liuzeさん
    『FPS、RTS好きの夢見るeスポーツ活性化』というのは具体的にどういったものですか?
    日本eスポーツ学会設立により、どう『FPS、RTS好きの夢見るeスポーツ活性化』とは違った方向に進んでいると思われたのですか?

  12. Skywave より:

    Eスポーツの認知度を上げるという意味では大きな一歩。確かに理事の皆さんはFPSやRTSのプレーヤーではない人が多い。現状や実情を知らない。でも、だからこそ彼らは関心を持ち、知りたがっていて、それが学問の出発点だ。見下してはいけない。彼らは彼らの分野で功績を持っていて、そのノウハウが日本のEスポーツに活かされる。この学会が権威主義の発露で終わるか、学者のママゴトになってしまうのか。それはEスポーツに関わる人がこの集まり(ツール)をどう使うかで決まると思う。

  13. hanatyan より:

    そんなことよりゲームやろうぜ

  14. Asahi``* より:

    hanatyan様いいこと言った
    やってみないとわかんねーゲームなんだから、ここでウダウダ嘆いてないでゲームしようぜ

  15. Taro<3 YUI _Razer** より:

    e-sportsといったらFPSだろおおお

  16. mishima2006 より:

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E5%AD%A6%E4%BC%9A
    日本デジタルゲーム学会いうのもあるのですね。
    会長は同じ人みたいです。

  17. F-4EJ より:

    とりあえず職員募集したら今の会社やめても手伝ってみたい!