Counter-Strikeメジャー大会『BLAST.tv Austin Major 2025』の出場チームが「BESTIA」から「Legacy」に変更されたことに関する、新たな説明が行なわれました。
出場チーム変更について
『BLAST.tv Austin Major 2025』は6月3日よりアメリカで開催されます。
出場権を獲得したアルゼンチン「BESTIA」が期限内にビザを取得できなかったことから、ブラジル「Legacy」が繰り上げ出場となることが決定されました。
その後、「BESTIA」はビザを取得することができましたが、定められた期限を過ぎていたため、公式規約に基づき「BESTIA」に代わり「Legacy」が繰り上げ出場で確定となっています。
この決定について、経緯が不明であることや「なぜ待ってあげないのか」といった反応がSNS上を中心に寄せられており、このことについて運営サイトが改めて発表を行ないました。
運営 BLAST.tv の発表
BLAST tv Austin Major Update 📌
We are aware that the decision to replace BESTIA at the BLAST tv Austin Major 2025 has led to a number of questions about the decision making process. In the interests of transparency, we are more than happy to provide further clarity regarding…
— BLAST.tv (@BLASTtv) May 24, 2025
BLAST.tv Austin Majorアップデート 📌
「BESTIA」の『BLAST.tv Austin Major 2025』出場を見合わせとした意志決定プロセスについて、多くの疑問が生じていることを理解しています。透明性を確保するため、今回の残念な結果に至った経緯について改めてご説明します。
BLASTが主催する全てのイベントでは、全参加チームが大会開催国のビザ要件を満たす必要があります。大会出場に必要となるアメリカビザの取得手続きについて、2月より全チームと継続的に連絡を取り合ってきました。この連絡は、本戦の開催前に問題や遅延が発生しないよう、予選通過が決定するかなり前からスタートしていました。
最終的に、31チーム・158選手が定められた申請手続きを経て、期限内に必要なビザを取得しました。
「BESTIA」は、4月17日に予選通過して本戦出場を決めました。
各チームは、選手のビザ取得について最終的な責任を負います。ビザ発行は、常に各国の裁量に委ねられます。BLASTはアメリカのビザ取得に関連する全ての情報を共有し、定期的に連絡を取り、手続きをサポートしてきました。
この期間に、BESTIAから全選手のビザ取得に至らなかったとの報告がありました。ビザを取得できていない全チームに対して5月16日(金)に連絡を行ない、ビザ提出の最終期限を5月21日(水)午後5時(CEST)とすることを伝えました。
全チームは、この期限までに提出したロスター全員のビザを取得する必要がありました。この期限は、競技の公平性とイベント運営を確実なものとするために設けました。
BESTIAは期限までに2選手のビザを取得することができませんでした。大会参加資格を満たしていないことを確認し、出場チームを交代させなければなりませんでした。この決定は、大会参加資格の規約に基づいています。
その後、選手達はビザを取得しましたが、定められた期限に間に合っていないことは明白です。そこで、BLASTとしては全チームが認識している大会ルールを遵守した選択を行なうほかありませんでした。
BESTIAがAustin Majorに出場できなくなったことは、全員にとって非常に残念な結果です。このニュースがBESTIAのファンやeスポーツコミュニティ全体に大きな失望となることについて、私たちも理解しています。
PapoMC 氏のSNS返信(BESTIA創設者・CEO)
You know you're doing the wrong thing. We wanted to resolve this fairly. See you in court.
— BESTIA Papo MC 🔥🦅 (@PapoMcArg) May 24, 2025
自分たちが間違っていることをおわかりでしょう。
私たちは今回の問題を公正に解決したいと思っていました。
法廷でお会いしましょう。
メジャー出場の可否が大きな問題となっている理由
メジャー大会はCounter-Strike競技シーンにおける最も名誉ある大会です。この大会に出場して活躍することは選手最大の目標です。
さらに、メジャー大会では出場チームのロゴ・選手のサインがデザインされた特別なゲーム内ステッカーアイテムが販売されます。
このアイテムも選手やチームには名誉である上、収益の50%がチームや選手に配分されることも重大な要素です。配分額については正式に公表されていませんが、選手の金額を濁した言及やデータ分析から、日本円で数千万~億単位の金額になると言われています。
ステッカーで得られる配分は、その後のチーム運営を継続することに影響をもたらす場合があるほど重要なものです。メジャー出場権を得られなかったことでCounter-Strikeから撤退したチームはいくつもあります。
このような経緯があるため、関係者やまわりのチーム・選手は「BESTIA」を出場させてほしいというスタンスになっています。
一方、大会運営側としては規約を曲げた決定をすることは、例外を作ってしまうことになるため、規約を遵守せざるをえません。
今後、「BESTIA」が改めて出場を認められることは残念ながら起こり得ないでしょう。