Casper “cadiaN” Møller選手が、『OG』Counter-Strike部門のIGL兼AWPerに就任したことが発表されました。

発表動画

発表動画の内容は、cadiaN選手を獲得することに成功したチームの共同創設者であるN0tail氏とCeb氏が発表に向けて精力的に準備を進めるも、直前でメディアにリークされてしまうという、現実に起きた展開を皮肉る内容となっています。

先日、OGはCounter-Strikeにおいて長期的な取り組みをしていくことを宣言していました。

これまで、リーダーとして多くのチームをトップクラスに引き上げてきたcadiaN選手を中心に、チームを作り上げていくことになります。

OGメンバー

  • Sweden Olle “spooke” Grundström
  • Sweden Adam “adamb” Ångström
  • Portugal Rafael “arrozdoce” Wing
  • Denmark Casper “cadiaN” Møller
  • France Lambert “Lambert” Prigent (コーチ)

Xavier Oswald氏のコメント (OG、CEO)

cadiaNを起用することは、単なるロスター変更ではありません。OGの意思を表明するものです。

OGは、リーダーシップ・情熱・卓越性によって定義される新たな時代の基盤を作り上げることを目指します。

cadiaNは、野心・情熱・偉大さを追求する姿勢という、OGがCounter-Strikeチームに対して求めるすべてを体現する選手です。

OGの目標は明確です。OGを常に定義してきた大胆不敵なエネルギーで、Counter-Strikeプロジェクトを再活性化させることです。

リーダーシップを有するcadiaNを中心に構築する新体制になり、これまで以上の高みを目指す準備は万端です。

Casper “cadiaN” Møller選手のコメント

Counter-Strikeでは、常にアイデンティティと信頼が重要です。

新たな展開に対するOGのビジョンは、意義があり、競争力があり、情熱に満ちあふれるものを築き上げるというもので、自分の考えと完全に一致しています。

これまでのキャリアで様々な挑戦をしてきました。
ですから、勝つために必要なことを理解しています。

OGと共に、特別なものを築き上げていきます。

cadiaNインタビュー

以下は動画でcadiaN選手が話していた内容の和訳です。
見出しは、わかりやすくするために自分が追加したものです。

OGに加入した理由

cadiaN
こんにちは、Casper Mollerです。
OGで新たにAWPerとインゲームリーダーを担当します。

尊敬する組織として知られ、多くの若き才能が集結するOGファミリーの一員になることができてうれしく思います。これが、OGに加入した理由の1つです。

Dota 2の歴史についてはあまり詳しくありませんが、OGが新たなメンバーで再び公式世界で優勝を目指していることを知っています。

これは、自分自身と同じだと感じていました。居場所がなくなっていたり、望む状況ではないという期間が続いていましたが、いまでもCounter-Strikeで優勝することを目指しています。大舞台にカムバックしたいと思っています。

今回、インゲームリーダー兼任AWPerを改めて担当することになりますが、これは非常に難しい組み合わせです。ただ、自分がこれまで最も成功してきた役割でもあります。自分自身を信じ長く続けることが大切だと思います。

年齢を重ねると「衰えた」「年を取った」と言うようになりますが、そうではなく優先順位とモチベーションの問題だと思っています。優先順位とモチベーションの2つを維持できていれば、何年でもプレーできます。

自分より4~5歳年上の先輩たちがいまでも一線で活躍していることがその証明です。

OGは自分にとって最適な場所だと感じました。
メンバーを例えば3ヶ月ごとに入れ替えるようなことをせず、安定した体制になっているのも素晴しいと思いました。

OGは時間を掛けることでチームを構築していくことができると信じていると感じました。

OGへの加入が決定して最初に思ったのは「再びプレーできる」ということでした。
この数ヶ月、自分の状況やプレーを続けていくべきかについて考える時間がたくさんありました。

今後はどのようなロールを担当するのが良いか、新しいチームメイトとなるのはどんなプレイヤーになるのか、色々考えました。
そんな時にOGからオファーをいただき、素晴しいことだと思いました。

学ぶことに貪欲で素晴しいスキルと可能性を持つ若い選手たちとプレーすることができることをうれしく思います。
本当に興奮していて、また競技に戻ってくることができて最高にうれしいです。

大会でプレーすることはもちろん、日々の練習に参加できることも楽しみです。
OGに加入することが正しいと思った理由は、何よりも加入する前から長期間にわたり連絡を取り合っていたことです。

コミュニケーションする中で、OGというチームとの相性や目標について意気投合している感じがありました。

OGはCounter-Strikeの競技シーンで安定した地位を築くことを熱望しており、自分はその力になりたいと思いました。

自分は、これまでに若い才能を育て上げ、チームを低ランクからトップ層まで引き上げてきました。

OGは名のあるチームですし、結果を残すことができる選手がそろっています。
OGのロゴマークを胸に、OGの仲間たちとプレーできることをうれしく思います。

チームをどのように率いていくか

cadiaN
今後は、時間をかけてリーダーシップ、哲学、アイデアなどについて取り組みをしていきます。

まだチームに加入したばかりなので、いまはチームメイトたちの長所や短所を理解することに努めています。
チームメイトたちの強みを活かしていきたいと考えています。

最初から自分のやり方を次々に導入するのではなく、チームメイトたちがどのようにプレーするのが好きなのか、ゲームの理解度はどのようなものなのかをまず知っていきたいと思います。

そして、メンバーたちがもつアイデアも取り入れていきたいと考えています。

加入するまでは、OGの選手について全員知っているわけではありませんでした。
少し前に試合をして負けたので、そこでよく知るようになったのですがw
ですから、対戦した時の印象が一番強く残っているかもしれません。

arrozdoceは以前からよく知っていて、ポルトガルのCounter-Strikeシーンを代表するプレイヤーです。

spookeとadambはスウェーデン出身、次世代を担う選手たちです。
スウェーデンは新たな才能を持つ選手の誕生を待ちわびていましたが、最近は素晴しい選手が登場してきています。

才能ある彼らとプレーできるのを本当に楽しみにしています。

彼らはすでに経験もあり、新人ではありません。自分たちのプレースタイルも確立しています。積極的に動くスタイルで、一緒に練習していて素晴しい印象を受けました。

自分自身のモチベーション

cadiaN
自分自身のモチベーションとなる要素はいくつかありますが、その一つはCS:GO時代のプレーを取り戻すということです。Counter-Strike 2でのパフォーマンスには満足できていません。

以前は厳しい状況でプレーしていたと思っていますが、自分が望むとおりの移籍にはならなかったという結果を受け入れる必要があります。

自分にとって最も重要なことは、過去にできていたプレーのレベルを取り戻すことです。

そして、プレーに情熱があり、さらなる努力を惜しまず、ランキングを上げるために貪欲なチームメイトたちと共にプレーしたいと思います。
常に成長し、さらなる成功を求めるチームでプレーすることが大好きです。

自分にとって最も重要なことは、若いプレイヤーを育成し、自分の経験を共有していくことです。そして、自分自身のコンディションを取り戻すことができる環境に身を置くことです。

それは、試合に大きなインパクトを与えられることができたときに最高の気分になり、さらに勝利した時には狂喜乱舞できることにつながるからです。

cadiaNが目指すCounter-Strikeのスタイル

cadiaN
自分のアイデアの多くを、OGのシステムに組み込んでいきたいと考えています。Counter-Strike部門だけでなく、それ以外の部門にも広げていくことができるアイデアもあるでしょう。

Lambertやkillazooという強力なコーチ陣と一緒に取り組み、ゲームについて学ぶことができることを楽しみにしています。

私にはこれまでの経験があり、コーチ陣はフランスCounter-Strikeという異なるカルチャーがルーツになっています。お互いのアイデアを交換していくことになるでしょう。

自分の意見を積極的に伝えて、ゲームの内外におけるプロフェッショナルとしての考え方について共有していきます。

良いチームメイトになる方法、素晴しいアスリートになる方法などです。チームメイトたちは、少し大変になるかもしれません。
厳しい愛が、最終的には真の愛になることでしょう。

「OGの新しいCounter-Strikeはどのようなものになるか」は非常に良い質問だと思います。

多くのアイデアを取り込みつつ、既存のプレースタイルや選手たちが得意とする形にもオープンな姿勢で対応していきます。

自分の考えを楽しめない、理解できない選手に無理やり押しつけるとチームにおける信頼を失ってしまいます。

取り組みを一歩ずつ進めながら、チームがどのように成長をしていくかを見守ることが重要だと考えています。

毎日、毎週に成長できるのであれば、それが自分のアイデアどおりである必要はありません。

ゲームに対する良いビジョンを持っている人がいて、それが私やコーチ陣の方向性と合っているならば、非常に良いことです。

そして、私としては良いCounter-Strike、美しいCounter-Strikeをプレーしたいと思っています。

これは、特に私がHEROICを率いていた時に知られているスタイルでもあります。相手を出し抜き、リズムを崩すことを怖れないプレースタイルです。

常に遅いわけでも、常に速いわけでもありません。状況に応じて臨機応変に動いていきます。

これが自分のプランです。今回のOGプロジェクトに持ち込むことができる過去の教訓とは何でしょうか?

過去のプロジエクトで学んだことはたくさんあります。長くシーンに関わっていると、常に学びがあります。1年後には、現在よりもスマートなプレイヤーになることができるでしょう。

最も重要なことの1つは、学ぶ意欲を持ち続け、自分は完成したプレイヤーになったと決して思わないことです。

1つ挙げるのは難しいですが、人生の教訓のようなもので、さまざまな個性を持つ人たちや多くの物事について、どのように対応していくかが過去のチームで学んだ大きな教訓の1つと言えます。

そして、チームメイトと自分の力を最大限に引き出すことを目指しています。

OGファンに伝えたいこと

cadiaN
OGファンのみなさんに知っておいていただきたいことが1つあります。私がOGに所属できたこと、そしてOGでプレーできることを本当にうれしく思っているということです。

今後の試合を見る時にご理解いただけると思います。特にLAN大会ではさらに良くわかるでしょう。

自分のエネルギーや熱意は、自分のプレーだけでなく、特にチームメイトに向けたものです。

練習で一生懸命取り組んできたことを、チームメイトが試合で成功させるのを見ることほどリーダーとしての成功はありません。

これまで試合をご覧いただいたことがある方は、私が発するエネルギーがどのようなものであるか、プレーに対する高いモチベーションを持っていることをご理解いただけると思います。

自分がOGに加入することや、過去の実績からくるプレッシャーについては心配していません。すでに多くの期待を寄せていただいていることを知っているからです。

そして、自分以上にcadiaNに期待している人はいません。だから大丈夫です。

誰もが選手を評価したり、文句を言うことができます。その気持ちはわかります。よい試合をしたら賞賛し、調子が良くない時はメンバーから外せと言われます。これは、eスポーツにおける高速思考と同じものです。

改めて、私よりもcadiaNに期待している人はいません。

今後の目標

cadiaN
1年後に振り返って「成功した年だった」と言えるのは、今後12ヶ月でランキングが上がっていて、各選手が自分の役割とシステムに満足できるメンバー構成になっている場合です。

大会ヘ遠征する際に、「早く帰りたい」ではなく「早く試合がしたい」とみんなが思えるチームでありたいと思います。プレー、練習、活動に関わるすべてを楽しむことができている状態です。

優勝したい、ランキングに入りたいと言うのは簡単です。結局のところ、結果は積み重ねてきたことの副産物でしかありません。

一生懸命に毎日練習し、学びと成長がある環境を継続していくことで、結果がついてきます。

同じ目標に向かっていると感じられる仲間たちがいて、1年間その状態で活動を続けていくことができれば、1年後に今よりも良い立場になることができていると確信しています。

これが私が考えるOGでのメインプランです。1つずつパズルのピースを組み合わせていき、OGが本来いるべき場所へと導いていきます。

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