『ZOWIE GEAR』のゲーミングヘッドセット『ZOWIE GEAR Hammer Headset USB』のレビューです。
ZOWIE GEAR Hammer Headset USB
ZOWIE GEAR Hammer Headset USB は、世界トップレベルのプロゲーマー 30 名のテストを経て製品化された、頑丈さと FPS に特化したサウンド再生が特徴となったゲーミングヘッドセットです。
レビュー環境等
- 使用期間 : 2009 年 11 月中旬~ 2010 年 2 月現在
- 主なプレーゲーム : Quake Live、Team Fortress 2、Counter-Strike(CZ 含む)
- サウンドカード : CREATIVE Sound Blaster X-Fi XtremeGamer
時系列的には、以前掲載した『SteelSeries Siberia v2 Full-size Headset』の紹介より前から少しずつ書いていたものとなります。
製品仕様
ヘッドフォン
- 周波数特性 : 15 ~ 25,000 Hz
- インピーダンス : 32 Ω
- 感度 : 98 dB +/- 4dB
- ケーブル長 : 1.2m + 1.8m = 3.0m
- コネクタ : 3.5mm (金メッキ仕様)
マイクロフォン
- 周波数特性 : 60 ~ 10,000 Hz
- Directivity : 単一指向性
- 感度 : -57dB +/- 4dB
パッケージ
使用前にパッケージを撮影した際のデータがクラッシュしてしまったので、開封後のパッケージを撮影してみました。
パッケージには、製品の開発に参加した有名な Counter-Srtike プレーヤー Emil “HeatoN” Christensen 氏とプロゲーマー Abdisamad “SpawN” Mohamed 選手のコメントが掲載されています(和訳はこちら参照)。
また、日本語の製品解説も記載されています。




ヘッドフォン・イヤーパッド
『ZOWIE GEAR Hammer Headset』には、『化学繊維』『合皮』という 2 種類のイヤーパッドが同梱されています。



製品開封時には、合皮のイヤーパッドがデフォルトでセットされていました。
どちらのイヤーパッドを装着するかで、使用感がかなり変化します。
化学繊維イヤーパッド
- 耳あたりが柔らかで使いやすい
- ゲーム内の音が聞き取りやすい
- 外部からの音も耳に入る
合皮イヤーパッド
- 強い圧迫感があり、外部からの音がかなり遮断される
- 合皮に遮られるのか、ゲーム内の音が若干聞き取りにくい
- 圧迫感があるため、マイク使用時に自分の声が振動で伝わる
イヤーパッドの使い分け
- 化学繊維イヤーパッド : ゲーム用
- 合皮イヤーパッド : 音楽観賞用
公式では、合皮は音楽鑑賞等に使うと良いとのことですが、外部音の遮断性がかなり高く、使用中に外から話しかけられても通常会話くらいの声量であれば、気づかないくらいなので LAN ゲームでの使用に向いていると思います。
装着感
ゴツゴツした見た目の割に、それなりにフィットするので装着した時は意外な印象を受けました。
本体重量はコードを含まない状態で約 214 グラム。
参考までに他社製品を計測してみたところ、『SteelSeries Siberia v2』が 236 グラム、『Razer Carcharias』が 221 グラムでした。
装着して重みが気になるようなことはなく、意識せず使うことができます。



化学繊維イヤーパッドの場合は締め付けるような圧力はありませんが、合皮イヤーパッドの場合は押されるような感じがありました。
ヘッドセットの装着感は、ヘッドセットの両サイドにある金属アームをスライドさせて調整します。
こちらは非常に固く、一度快適なポジションを決めれば以降ズレることなく使い続けることが出来ます。
その代わり、装着しつつアームをずらしながらベストポジションを探すということはやりにくく、力を入れてアームをずらして調整することになります。


サイズの延長は最大で約 5 センチほどまで可能となります。
頭部のアーム部分にはクッションがないため、頭にくっつくサイズに調整すると頭部が押され違和感を感じます。
若干余裕を持たせた長さに調整するのが良いでしょう。
マイク
マイクブームは、変形しにくいアルミ素材を採用した作りとなっており、軸を中心に 360 度回転させることが出来るようになっています。


画像を見ての通り、サイドから内側に曲がった形になっています。
アルミ素材のため、形状を変化させてマイクの位置を調整することは出来ません。
このため、マイク位置の調整は上下の位置でのみで行なうことになります。


マイクは大きく、音を拾いやすい形状となっています。
以前使用していた『Razer Carcharias』のマイクはかなりクリアで評判がよかったのですが、クランメンバーなどとのボイスチャットやゲーム内ボイスで比較してもらったところ、「若干前の方が聞き取りやすかったが、ハッキリ伝わっており実用レベルでは差が無いと思う」とのことでした。
位置の調整には難がありますが、実用レベルに耐えるマイクだと思います。
リモコン
ヘッドホン音量やマイクのオンオフは、インラインリモコンから行うことが出来ます。
『ZOWIE GEAR Hammer Headset』は頑丈さが売りになっていますが、こちらのリモコンは正直安っぽい感じで、叩きつけたり践んだら割れてしまいそうな印象があります(さすがに試していません)。
音量は円盤を回転させる方式、マイクのオンオフはボタンをスライドさせることで設定できます。
リモコンの裏面はクリップ式になっており、衣類などに挟むことで固定できます。
また、USB 接続時は USB コネクタ付近についたリモコンで音量調整が可能です。
自分の環境では足下においた PC の裏面の USB ポートに接続していたので全くといって使用しませんでした。
おそらくは LAN 大会など PC のフロントが選手の近くを向いているようなシーンを想定して設計されているのかと思いますが、これを使用する機会がある人はなかなかいなそうです。
こちらはさきほどのリモコンとは異なり、ボタンを押すことで音量が大小する仕組みになっています。
また、リモコンに搭載された LED が青く光りますが、ランダム点滅するため気にしだすとかなり鬱陶しく感じます。
また、接続ジャックにはマイクとヘッドホンのイラストは書かれていますが、色分けがされていないため装着時に確認する必要があり手間だと感じました。
耐久性
『耐久性』は『ZOWIE GEAR Hammer Headset』の売りの 1 つです。
公式にもありますが、同じようにしてヘッドセットをねじ曲げたり伸ばしてみました。


このような形にしてもしっかりと元どおりの形となり、クセがそのまま残ることはありません。
うちには 1 歳ほどの子供がおり、気づいたらキーボードクラッシャー(Crazy German Kid)顔負けな勢いでヘッドセットを床に叩きつけていましたが全くもって無傷でした。
普通のゲーミングヘッドセットなら、パーツが外れたり、イヤーカップが割れたりしていたのではないかと思います。
音
音については、FPS に特化した調整がなされているという謳い文句通りかなりのすばらしさだと思います。
以前使っていたヘッドセットでは、『Team Fortress 2』において音の鳴っている方向というものがそこまではっきりしていなかったのですが、『ZOWIE GEAR Hammer Headset』はそこがキッチリと聞こえて使い始めにかなり驚いたのを記憶しています。
Counter-Strike 系のゲームや Quake Live の 1vs1 など細かい音にシビアなゲームでも同様に音の判別がしやすく好印象でした。
総評
『ZOWIE GEAR Hammer Headset』の良い点、悪い点を簡単にまとめると以下の通りです。
良い点
- 方向・音の大きさなどの情報がはっきりと聞き取りやすい
- とにかく頑丈
- 性能に見合う & 比較的手が出しやすい価格(USB サウンドカードあり約 1 万円、なし約 8,000 円)
悪い点
- マイク位置の調整がしにくい
- デザインは他社に比べると正直微妙(クラッシックなデザインが好きな人はプラス材料)
- USB コネクターの部品が青くピカピカ光るのが鬱陶しい
- イヤーパッドの取り替えに手間がかかる
自分は、他にもゲーミングヘッドセットを所有していますが、11 月に『ZOWIE GEAR Hammer Headset』を手にしてからはこちらをメインのヘッドセットとして利用しています。
理由はなんといっても「音の情報」を他のヘッドセットよりも明瞭に聞き取れると実感したからです。
マイク位置調整などのことも考えると他のヘッドセットと迷うのですが、やはりゲームプレーにおいてアドバンテージを得たい、というのが第一の目的のため、『ZOWIE GEAR Hammer Headset』を選択し使い続けています。
ボイスチャットも、実用レベルではあるので自分がマイク位置の調整を工夫すれば良いだけです。
ゲームでの音を的確に聞き取りたいという人ならばきっと満足できる製品だと思います。
現状の個人的評価
- ZOWIE GEAR Hammer Headset – 9/10
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