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2年連続『Dota 2』世界王者『OG』のCeb選手がスタメンを辞退、今後は裏方としてチームを支援 「OGに奇跡は無く、ただ懸命な取り組みとお互いに対する優しさがあった」

2018年、2019年のDota 2公式世界大会を制した Europe OGの France Sébastien “Ceb” Debs 選手が、スタメンを外れチームの裏方にまわることを発表しました

『OG』のCeb選手がスタメンを辞退、今後は裏方としてチームを支援

Ceb選手はチームのオフレーンを担当するプレーヤーです。2018年の世界大会ではAxeを使用し絶妙なタイミングでのスキル発動で敵を一気に封じ込めゲームの流れを引き戻すプレーで注目を集めました。この時にキャスターが発した「Ceeeeeeeeeeeeeb!」の実況は、2019年の世界大会関連アイテムに公式ボイスとして収録されたほどです。

また、公式ドキュメンタリ「True Sight」ではポジティブな言葉でチームメイト達を鼓舞する姿も紹介されており、まさにチームを支え取りまとめる大黒柱ともいえる存在の選手です。

そんなCeb選手ですが、今後は選手ではなくチームを支える裏方としてDota 2シーンに恩返しをしていくことを決断したとのこと。本人は公式発表内のコメントにて、選手としてカムバックする可能性も残しておきたいことから「引退と思われることを望んでいない」との気持ちを明らかにしています。

これでana、JerAx、Cebの3選手が戦線離脱となります。
n0tail、Topsonは3連覇を目指し活動していくことが下記のコメントで紹介されています。

以下コメント内の「※」は当サイト運営者による補足です。

Ceb選手のコメント

競技esportsを駆け抜けるOGの旅は何年も前にスタートしました。今日、世界中の人たちにとってOGの遺産すべてがどれほどの意味を持つものとなったかを、誇りと共に目の当たりにしています。それは結果、記憶、実績以上のもので、価値観、原理、信念よりも大切なものです。これらは世界大会を連覇したOGの基礎となるものです。全ては、2018年前半に悪名高きOGとEGへの分裂から始まりました。

このテキストを書くと決めた時に、Flyとs4がチームを去った時のブログ記事を読み直しました。今読んでみると、自分たちの将来に何が待ち構えているのかを正しく理解できていたと思います。

変化は健全であり、おそらく必要なものです。OGの分裂は実際のところ、1つの地獄でした。anaとTopsonが加入してから、Dota 2が地獄であると感じることはなくなりました。Dota 2で最高のチームを作り上げることができたと思っています。

新たなOGは勝ち目のないチームと見られ、楽しんでプレーしていました。飢餓や反乱軍の攻撃に立ち向かいながら、ディフェンディングチャンピオンという信頼と共に戦いました。競技としてのDota 2における全てを駆け抜けたように感じています。

頂点に上り詰めるのはかなり大変で、それに払う犠牲は疑うことなく高いものです。OGは常に卓越した存在となることを目指しており、これはチームの根幹となる価値観です。OGでは、与えられた全ての瞬間においてお互いにベストを尽くすこと求めています。そこで、物事における精神的な面をとても大切にしています。みなさんは2020年最初のメジャートーナメント出場を見合わせたOGの「オフシーズン」について興味をお持ちでしょう。偽装戦略だと信じる人もいれば、努力の結果を楽しんで休息しているのだろうと推測する人もいます。真実をお伝えすると、そのどちらでもありません。最高のレベルで競い、お互いが求める最高の能力を発揮するためには純粋なモチベーションが求められ、それには無限の原動力が必要となります。あなたがキャリアをスタートさせた時、それらの火は当然のように存在するものと考えるでしょう。しかし時が経ち、目標と夢が近づくにつれて、この火は注意深く保護していく必要があると気づき始めるのです。

そこで、OGではお互いのキャリアを振り返り、次シーズンに向けて準備する時間を与えるようにしています。それは明らかに異なる結果をもたらします。昨シーズンは特に変更はありませんでしたが、今回は違う結果となりました。anaは競技から離れる時間がもうしばらく必要だと感じていますし、Jesse(JerAx)はプロDota 2からの引退を決めました。この5人で試合をする事が二度と無いのは非常に残念でなりませんが、彼らがそのような決断を下す十分な強さを持ち合わせていたことを本当に嬉しく思っています。

このメンバーで成し遂げたことは、永遠の幸せな思い出となります。

1つの時代が終わることは、新たな時代が始まることを意味します。そして、自分達の未来について考える時でもあります。

自身のプランについてより明らかにする時です。自分は常に次々と挑戦してきました。ハイレベルな競技こそが自分の目指す環境であり、グループとして目標を追求することがよりエキサイティングなことだと実感しています。

Dota 2には、自分が期待していた以上のものを与えてもらいました。選手、アナリスト、コーチ、そして2回のThe International王者として。振り返ってみると、自分がそのようになるとは予測も出来ませんでした。

Dota 2に恩返しする方法を探す時がきたと感じています。自分の周りには信じられない才能と無限の意欲を持つ選手たちがいます。彼らの夢や信じる成功を実現させる手助けをしていきたいと思います。競技シーンでの個人的な目標のみに取り組んで終わるのは、後味が悪いですから。

Johan(※n0tail)とTopias(※Topson)は、3回目の世界タイトル獲得を見据えており、自分も同様です。再びトロフィを掲げる彼らに寄り添っていきます。いつもどおり、彼らが成功するために必要な事は何でもしますし、場合によっては自身の個人目標のいくつかを犠牲にすることもあるでしょう。

それはDota 2、CS:GOどちらに対しても同じです(※OGは現在この2タイトルで活動しています)。OGは偉大なチャンピオンたちが集まる場所です。自身の経験を、素晴らしい才能たちと共に活かしていきます。自分は、これが最終的な選手引退のように思われることを望んでいません。例えそうなる可能性が非常に高いとしても。自分はサプライズのある人生を愛しているので、可能性の扉はいつでも開いたままにしておきたいのです。

自分がどこにフォーカスしていくかはチームのニーズに合わせて臨機応変に対応していきます。親友Sockshka(※OGコーチ)のような素晴らしい人々に囲まれ、とても恵まれています。チームの周りに優秀な人材を配置し、経験を永遠のものとして残していきたいと思います。

競技におけるOGの新たな挑戦は、ありがたいことにとても困難な課題に直面するでしょう。

OGの関係者かそうでないかに関わらず、これまでの活動に貢献していただいたみなさんに感謝します。多くの人たちがこの世代について「キセキの世代」と呼んでいますが、これがアニメネタだと学びました(※「黒子のバスケ」より)。OGが取り組んできたことに奇跡は無く、ただ懸命な取り組みとお互いに対する優しさがありました。奇跡があったとすれば、それはあなたがこれまでずっとOGを支えてきてくれた事です。多くの変更があり、あなたにとってのOGとして受け入れがたいのはわかっています。しかし、過去にそうしてくれたように、再びOGを信じてください。しばしお待ちください。未来は必ず輝かしいものとなります。

皆さんを愛しています。

Ceeeeeeeeeeeeeb!

OG Dota 2

アクティブ

  • Finland Topias “Topson” Taavitsainen (Mid)
  • Denmark Johan “N0tail” Sundstein (Support)

非アクティブ

  • France Sébastien “Ceb” Debs (Offlane, チーム運営へ)
  • Finland Jesse “JerAx” Vainikka (Support, 引退)
  • Australia Anathan “ana” Pham (Carry, 次シーズンまで休養)

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この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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