『CS:Legacy』プロジェクトが、ValveからIP使用の許諾を得られなかった場合の路線変更に関する説明を行ないました。

『CS:Legacy』について

『CS:Legacy』は、Source SDK 2013を用いて『Counter-Strike 1.6』をリメイクすることを目指すプロジェクトです。

Valve社のライセンスに完全準拠して開発することで『Counter-Strike』のIPを使用できるとしていましたが、Valve社からIP使用の許可を出すことができない可能性について通達され、今後の方向性について説明が行なわれました。

CS:Legacy Projectのステータス報告 (公式発表の和訳)

長い間ご無沙汰しております。
現在、CS:Legacyプロジェクトが直面している問題についてご報告します。

私たちはValveの社員から連絡を受け、専用ライセンスを取得しなければ『Counter-Strike』IPの使用が許可されなくなる可能性について通達されました。

これは、CS:LegacyをCounter-Strike1.6のリメイクとしてリリースすることができるかどうかに大きな影響を与える可能性があります。もしこれが事実であれば、プロジェクトはCounter-Strikeを切り離し、別のゲームエンジンを使用する独自IPとしての展開に移行せざるをえません。

これは私たちにとって予想外のことでした。『CS:Legacy』はSource SDKとSteamworksのガイドラインに完全準拠しており、公式SDKを元に開発し無料リリースすることを前提に、ValveのIP使用が許諾されるはずだったからです。

今回の連絡はプロジェクトの内容を誤解したものではないかと思われました。
そこで、『CS:Legacy』は過去にリリースした『CSPromod』と同じく、現在のSource SDKライセンスに準拠するプロジェクトであることを詳細に説明して返信しましたが、Valve社員からの反応は何もない状態です。

今回の連絡によって、SDKライセンスやCounter-StrikeのIPに関連するプロジェクトに対するValve社の解釈に変更が適用された可能性が考えられます。予想が正しければ、現在のSDKライセンス規約が更新され、CS:Legacyは許可されなくなることもありえます。

私たちは、Valveの法務に連絡を取り公式見解を確認しています。現在、最終的な結論には達しておらず、回答待ちの状態です。Valve社には、必要に応じてプロジェクトの変更や制限に対応する準備があることを伝えています。

本件について、穏便に問題解決する計画でしたが、Valve社に何度返信を催促しても反応を得られませんでした。CS:Legacyを現在の計画通りに開発していくことができるかどうかは不透明な状況であり、みなさんに状況をお伝えする必要があると判断しました。

このような状況のため、過去数週間にプロジェクトに対して寄付していただいたみなさんに個別連絡し、返金の対応を行ないました。まだ連絡を確認できていない方は、メールやDMをチェックしてください。自動返金の手続きが行なわれている方もいるかと思います。

私たちは準備を進めています

CS:Legacy開発の初日から、私たちは以下の方針を取ってきました。

  • Valve社のSDKライセンス、Steam利用規約、Steamworksガイドラインに完全準拠する
  • アセット、コード、ユーザーインターフェース、アートディレクションの権利を自分たちが所有できる形で開発する。これにより、必要に応じてプロジェクトを独自IPとして展開可能です。

CSPromodで10回の公開リリースを行ない、Valveのライセンスや規約に準拠してきた経験から、CS:Legacyを問題無くリリースできる確信していました。

しかしながら、問題が発生した時にいつでも方向転換できるよう、開発初日からコンテンツやデザインを自分たちで管理できる形としてきました。

CS:LegacyをSource SDK 2013で開発することが不可能となり、専用ライセンスの取得も認められない場合、私たちはCounter-StrikeのIPを使用せず、別のゲームエンジンで独自のゲームを開発する方向転換を行ないます。使用するのはGodotエンジンが有力ですが、Unreal Engineも検討します。

この方向性となった場合、ゲームはCounter-Strike 1.6のメイクではなく、独自IPを使用したものとなります。

新たなレイアウトのオリジナルマップ、キャラクター、ビジュアルを使用する、Counter-Strike IPに依存しないゲームです。現在開発しているカスタムコード、アセット、アートディレクションなどは、全て独自に製作したもので、それらを活用して新しいゲームに移行することになります。

9月までの新たなステップ

今回の問題に対処するため多くの時間を取られましたが、開発は継続しています。

次の開発マイルストーンは、『CS:Legacy』のゲームビルドをSteamworksに提出することになります。これは来週に実施予定です。

Valve社からの回答次第では、アーリーアクセスを2026年に延期する必要があるかもしれません。良い回答を得られなかった場合は、独自IPで開発を継続します。

独自IPに切り換えた場合に期待できる展開

  • コアとなるゲーム感覚:楽しくスキルフルで、Quakeシリーズのような移動、激しい銃撃戦、強力な壁抜きを実現。これら全ては、昔ながらのFPSの魅力的要素です。
  • 楽しく新鮮、実家のような安心感コミュニティ主導の対戦FPS
  • コミユニティ中心:レベルエディターやスクリプティングなどのMODツール、サーバーホスティング機能
  • 90年代アクション映画さながらの力強くユニークなビジュアルアイディンティティと世界観。死亡アニメーション、爆発、射撃、動きはさながら映画のようで、素晴しい満足感と中毒性を提供。
  • 快適性:ゲーム感覚やレスポンスを損なわないスムースなゲーム体験

CS:Legacyとして開発を続ける、独自IPに方向転換する、どちらにしてもかわらないものがあります。それは私たちの情熱、そしてクラシックな感覚を伴うスキルベースのFPSを作りあげるという決意です。

3月にトレーラーをリリースして以来、みなさんからの多大な支援と熱意ある応援に改めて感謝しています。Valve社から回答が得られたら、すぐにみなさんにお知らせします。

Valveの決断を尊重しますが、私たちはいつまでも回答を待ち続けるつもりはありません。そこで、CS:Legacyの開発を継続しながらGodotエンジンでのプロトタイプ版を作り始めることを決定しました。独自IPで開発することになった場合の準備をしていきます。

このような選択となったとしてもご安心ください。私たちには、きっとみなさんに気に入っていただくことができるであろう、多くの素晴しいアイデアと計画があります。

Valve社から刺激的なメッセージを受け取りましたが、私たちはこれ以上のモチベーションで取り組んでおり、 『CS:Legacy』のリリースに全力を尽くします。Valveから許可が得られない場合は、古き良きシューターの素晴しさと敬意を払った新作ゲームへと移行していきます。

私たちには、チーム、スキル、ビジョン、目標を実現するための燃えるような情熱があります。

どちらの道を選ぶことになるかがわかり次第、詳細を共有します。

@Red_GameDevとチームが、Discordでみなさんからの質問にお答えします。ぜひ気軽にご参加下さい。

ここ数ヶ月で取り組んできた作業の一部を映像として共有します。開発中のブラックアウトを含むDust 2、Train、Aim Mapを含んでいます。この他の開発アップデートも近日中に公開予定です。リプ欄から確認することができますが、Discordに参加いただければ全てのアップデートを確認したり、より詳しい情報をチェックすることができます。

みなさんにとって素晴しい夏となりますように!

関連記事

情報元