『Counter-Strike 2』などを展開するValve社が、大会・チームユニフォームにスキントレードサイト等の掲出を禁止する規約改定を行ないました。
規約改定の意図
今回の規約変更には、Valveが自社IP、Steam経済圏、Counter-Strike競技シーン、そしてゲーマーを守りたいという意図があります。
これに伴い、大会配信等のコンテンツや、チームユニフォームにスキントレードサイト等の掲出が禁止されることになりました。
ValveのIPに関連しない、通常のカジノサイトやギャンブルサイトの掲出は今回の禁止対象には含まれていません
スキンギャンブルサイトの規制
2016年、Valveは違法賭博として問題視された「スキンギャンブルサイト」に対し、Steam APIの不正利用を理由に停止措置を行ないました。
スキンギャンブルサイトは、ゲーム内スキンを通貨のように扱って賭けを行なうサービスでした。Counter-Strikeの試合結果を予測する、ルーレット等の簡易ゲームなどさまざまな形態があり、賭けに勝つと対価としてスキンを追加入手することができました。
スキンの価値は公式のSteamコミュニティマーケットにおいて時価で変動し、外部サイトでは現金で売買できるサービスもあります。スキンギャンブルサイトで獲得したスキンを、後述するスキントレードサイトで売買することで現金化することができました。
スキンギャンブルサイトを通じて、未成年が容易にギャンブルへ参加できることなど、多くの問題点が指摘され規制が行なわれました。
スキントレードサイト
スキントレードサイトは、サードパーティが運営する外部サイト上で、スキンを現金で売買したり交換したりできるサービスです。
これらのサービスはSteamコミュニティマーケットの経済圏に影響を与えるほか、現金売買に関連する詐欺などのトラブルを引き起こすケースも存在します。
今回、こうしたサービスをスポンサーとして宣伝する行為が禁止されました。
ケースオープニングサイト
Counter-Strikeには、武器スキンを含む「ケース」を有料アイテムの「キー」で開封するガチャ要素があります。
ケースオープニングサイトは、この仕組みを外部サイト上で再現したサービスです。外部サイトでは出現率や結果を運営側が操作できる可能性があるため、ユーザーが不利益を被るリスクがあります。
今回、これらのサイトを宣伝する行為も規制されました。
新たな規約
今回の規約変更は、「Limited Game Tournament License(限定ゲームトーナメントライセンス)」の「2.4 Restrictions (制限事項)」「e. IP Protection(IP保護)」で確認することができます。
※原文は英語、下記は運営者が翻訳したもの
2.4 制限事項
本規約に基づきライセンシーに付与される、大会の運営・宣伝・制作・動画配信(再配信を含む)を行なうためのライセンスは、以下の制限に従うものとします。
2.4 e IP保護
ライセンシーは、ValveのIPまたはSteamサブスクライバー規約に違反するコンテンツ(例:ケースオープニングサイト、スキントレードサイト等)や素材を、チームのユニフォームや放送中に表示される可能性があるコンテンツ等に配信・表示してはなりません。
ライセンシーは、ValveのIPまたはSteamサブスクライバー規約に違反するコンテンツ(ユニフォームのロゴなど)が大会放送に表示されることを許可してはなりません。
ライセンシーは、Valveの契約に違反する活動、現地の法律に違反する活動、Valveのゲーム経済に依存する活動を通じて収益を得ているスポンサーから、スポンサーシップを受けてはなりません。これには、ゲームキーの再販売業者や、プレイヤーのValveゲームインベントリを用いたサービスを提供する企業などが含まれますが、これらに限定されません。
メジャー出場中チームの対応
先日、現在開催されているメジャー大会『StarLadder Budapest Major 2025』出場32チームのスポンサーについて調べたところでした。
この中で、ユニフォームの一部をテープで隠しているチームが複数あります。
本来、スキントレードサイトなどのロゴがプリントされていましたが、今回の規制が事前通達されていたのか、ロゴを隠す対応が行なわれていました。
その事例として、3DMAXのユニフォームを紹介します。
チームショップに掲載されているユニフォーム
現在開催中メジャー大会









