FPS『QUAKE LIVE』に代わってアクション RTS『League of Legends』が『Intel Extreme Masters Season VI』の競技タイトルに採用された理由が『DER QUAKER』のインタビューに掲載されていました。
インタビューでは、Electornic Sports League のプロダクトマネージャーを務める Michal “Carmac” Blicharz 氏に『Intel Extreme Masters Season VI』の競技タイトル決定について様々な質問を行なっています。
Carmac: もちろんです。QUAKE LIVE は観戦するのがファンタスティックなゲームですし、Quake は私にプロフェッショナル eスポーツの世界を紹介したタイトルです。私がゲームを好きなだけでなく、トッププレーヤーの多くは私の親友です。Intel Extreme Masters の種目とはならなくても、ゲームが存続することを望んでいます。もし ESL が正しいパートナーを見つけるならば、これまでと同様に ESL TV スタジオにていくつかの QUAKE LIVE イベントを実施することが出来るでしょう。
Carmac: 正直なところ、QUAKE LIVE が IEM の競技タイトルの1つとして発表されなかったという事実について ESReality 以外のコミュニティから悲しみの声が上がったことに私は驚かされました。
これはそこに視聴者がいるというポテンシャルがあったことを意味しますが、私はコミュニティには QUAKE LIVE にストーリーを作るのに十分な人々がいないと思っています。
例として StarCraft II を見ると、シーンには Sean “Day9” Plott 氏(※人気の実況配信者)がいるだけでなく、コミュニティのために定期的に素晴らしいコンテンツを作る多くの人々がいます。
その一方で QUAKE LIVE 最大のコミュニティ ESReality を見ると、そこにはオリジナルのコラム、記事、インタビューはありません。xou 氏のみが特集を行なっていますが、彼 1 人だけです。昔はもっと良く、人々はコラムを書きコミュニティに追加するのを競いあいました。私はそのようなことはコミュニティが非常に成熟しているという事実からやって来ると思っています。
私達は全員年をとっており、それら全てをする時間がありません。上記の全ては多くの情熱をもつ若者のためのものです。QUAKE LIVE はコミュニティに十分なフレッシュな血を届けることに失敗したのではないでしょうか?
また、あなたは Day9 氏やその他の配信者が非常に良い仕事をしていると言いましたが、lvlup の連中やロシアの c58|shadow 氏周辺の QUAKE LIVE 配信者もまたとてつもない仕事をしています。彼らは多くの視聴者を抱えている上に質の高い仕事で知られています。また、ドイツの視聴者は私の配信を楽しんでいると思います。id Software が「自分たちの赤子」をサポートしなかった事は誤りであり得たのではないでしょうか?彼らは若いプレーヤーが FPS の世界に入り、 QUAKE LIVE をプレーさせる機会を与えることに失敗したのではないでしょうか?
Carmac: もし、あなたが id Software に QUAKE LIVE のための限りない予算があると思っているのならば、彼らは何かを逃しました。
無くなっている特徴がありますか?イエス、そのような特徴を伴う、より成功したタイトルとなることです。しかしそれは簡単なことではありません。
私の知る限り id Software のリソースは限られており、それらをジャッジするのは非常に難しい事です。
例えば、ESL のイベントのために id Software の技術者の 1 ~ 2 人は LAN サーバーをサポートするために深夜に眠ること無く起きている必要がありました。これは、id Software が QUAKE LIVE の新機能をプログラミングする時間を失うことを意味しました。QUAKE LIVE は実験的なプロジェクトであり、コミュニティのいくらかの人々がゲームを信じていてもそこに全てを投入するのは非常にリスキーです。
Carmac: もし私個人のフィーリングが重要だったならば、QUAKE LIVE は Intel Extreme Masters に現在も採用されていたでしょうね (-; League of Legends は多くのポテンシャルを持ったゲームだと思います。パブリッシャーは eスポーツについて理解しており、eスポーツタイトルとして League of Legends の多くをサポートしています。
DreamHack で行なわれたトーナメント(Seaon1 Final)で、どれだけのパブリッシャーが最大 $100,000 の賞金を提供したでしょうか?まだプレーしていないのでゲームプレーに関してしっかりした意見を持っていません。RotterdaM University のために良くなるよう自由時間のほとんどを StarCraft II に費やしていました 🙂 番組が終了したので League of Legends にトライすることが出来ます。
Carmac: 賞金は何も変えません。賞金は PainKiller を助けなかったでしょう(※Painkiller は2005年に賞金総額 100万ドルで行なわれた CPL World Tour の競技タイトルでしたが、以降採用されることはありませんでした)? QUAKE LIVE は必死にプレーヤーの基本人数を増やし、新人プレーヤーが礼儀正しいプレーヤーになるまで教育する方法を見つける必要があります。もしプレーヤーの基本人数が増えれば、観客の数が増え、賞金も増えることになるでしょう。全ては反対からではなくボトムアップからやってきます。
Carmac: 私は QUAKE LIVE で 1,000 試合以上をプレーしました。酷い試合でも好きですが、たまたま同じくらいのレベルの友人がいないのならばプレーする理由がありません。
StarCraft II に移行したのは、自分の進み具合を計るラダーシステムがあったからで、毎日チャレンジしました。初めてブロンズからシルバーに到達した時は幸せを感じました。はい、ラダーシステムは絶対的に競技的マルチプレーヤーゲームに必要です。
Carmac: QUAKE LIVE が終わるかどうかは誰もわからないと思います。新たなスターを作り出さないゲームは好ましい eスポーツゲームではありません。QUAKE LIVE が自身のコミュニティのためにスターを作り出し続けるかどうかをみましょう。私は、ESL が QUAKE LIVE のトーナメントを開催する可能性がまだ確かにあると思っています。
Carmac: ESL は Intel Extreme Masters に League of Legends を追加したいと思いました。League of Legends は ESL で 3 番目に人気があるゲームで、ウィークリーカップには 100 チーム以上が参加し、配信の視聴数は非常に良いです。
これまでにクオリティ vs クオリティの問題があります。私は Intel Extreme Masters で仕事を始める時に、人々が消費しきれないコンテンツを作り出すのは良いことでは無いと言いました。
それはどことも知れぬ所に行かないようにする多くの努力です。私たちは見せることが出来る多くのストリームを制限されており、限られたマンパワーで QUAKE LIVE 競技を実施することはジョークではありません。
1 つのイベントに 4 つのタイトルを持つことはストリーミングの時間と我々の努力が 4 つに分割される事を意味します。それは大きな違いで、私たちの製品の消費者達が、4 つのグループのショーをどのように経験するかについて影響があります。
Carmac: ゲームはそれらをプレーする人と同じくらいカジュアルなだけです。例えば Quake World のプレーヤーは、Quake World 以降の全てのゲームは 初心者に親しみやすいと思っていたことを忘れないで下さい。Quake3 のプレーヤーは CS が初心者に親しみやすいと思っていましたし、BroodWar プレーヤーもそうです。私は StarCraft2 が同じく初心者に親しみやすいと思っていますが、StarCraft2 は明らかに今日のナンバーワンゲームです。
Carmac: こちらこそありがとうございます。もしすばらしいプレーヤーを伴う QUAKE LIVE トーナメントがどこかであるのならば、私は 1 人の見物人として間違いなく観戦するでしょう。また、Levelup の連中や昨年のシーズンを手助けしてくれた admin、id Software の TTimo、Jah、Mike Rubits、そして Intel Extreme Masters で QUAKE LIVE を追ってくれたみなさんに感謝します。もしあなたを悲しませてしまっていたら申し訳ありません。
ということで、現状において QUAKE LIVE が IEM6 に追加採用される確率はかなり低いと思われます。
インタビュアー moppz 氏の Quake に対する愛が伝わってくる良いインタビュー記事だったと思います。
TT
ぎぎぎ・・・
これは日本の閉鎖的なCounterStrike1.6コミュニティや殺伐とした(笑)FPSコミュニティにも共通する部分が多くて考えさせられるなぁ。
UST配信やニコ生配信、Negitakuやその他コミュニティサイト、ブログ等、下地はあるからそこから日本で再びCSを賑わしていく努力をしないとダメな気がする。
CSだけに限らず、これから増える競技性のある良ゲーもコミュニティのやり方によっては廃れるってことだね。
流れぬ川は腐る
ほっそり行きましょう
ぐすんぐすん