株式会社yTuber.tvが給料制プロゲームチーム『Zoo Gaming』を設立したことを発表しました。
『Zoo Gaming』が誕生、「フルタイム」「パート」方式で選手契約を実施
株式会社yTuber.tvは、ゲーム実況者専門のYouTuberプロダクションを運営する企業です。
同社は、世界で戦えるプロゲーマーを輩出すべく、プロゲームチーム『Zoo Gaming』を設立。所属選手とは「フルタイム」「パートタイム」方式のいずれかで契約を行ない、毎月給与の支払いを行なうとのこと。
また、人気のゲーム実況者を抱えるプロダクションとしての強みを活かし、所属配信者とコラボしていくことで選手の人気や認知を向上させる取り組みなども計画しています。
現状、様々なゲームで「プロゲーマー」が誕生していますが、上手いだけでなく、顔やキャラクターを覚えてもらえないと存在感をアピール出来ないといった状況があります。人気配信者との連携施策というのは、どのような結果を生むか面白そうです。
契約形態
フルタイム制
仕事としてフルタイムのプロゲーマー活動に専念することが可能。
給与は、新卒程度くらいとなる想定。
パートタイム制:
チーム練習への参加を必須とし、平日18時~24時の間で数時間、土日祝日 数時間で活動
する形態。
給与は、一般のアルバイトよりは良いと思ってもらえるくらいを想定。
『PUBG』『LoL』の2部門を設立、まずは『PUBG』のメンバー4名を公募
『Zoo Gaming』ではまず下記2タイトルで活動を行なう計画で、今回『PUBG』のメンバー募集が開始されました。
ZOO Gaming 活動タイトル
- PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS(PUBG)部門「Zoo Penguin」
- League of Legends「チーム名未定」※2018年4月開設予定
主な活動内容について
- ゲームの練習、研究
- チーム練習への参加
- 大会への出場
- イベントへの出演
- 動画、生放送への出演/配信
『PUBG』部門 応募条件
- 18歳以上(未成年の方は事前に親権者の許諾を得てください)
- プレイ時間:300時間以上
- K/D:SOLO 最低3.0以上、DUO 最低3.0以上、SQUAD 最低3.0以上
- (上記K/Dはシーズン4、メインで活動しているサーバーで100試合以上プレイしている必要有)
- シーズン4終了時 Rating:2,000以上(SOLO、DUO、SQUADメインでプレイしたモード)
- 他:BANを受けたことがない、チームプレイが出来る、チーム練習が出来る
応募後の流れ
- 1.応募→書類選考(応募フォームの情報を基に選考)
- 2.プレイ動画選考(実際にプレイされている動画を提出)
- 3.面談
- 4.トライアウト
- 5.最終面談
- 6.採用
株式会社yTuber.tv 代表・中田博昭氏に質問
中田氏が『Zoo Gaming』を設立した経緯や目指すところについては、公式サイトの下記ページに記載されています。
要約
- ゲーム実況者専門のYouTubeプロダクションを3年運営して、生計が成り立つ配信者を誕生させることができるようになった
- その過程で、あと1年続けられればゲームを仕事に出来たのに、という人もいた
- そこでプロチームを立ちあげて会社として給与を担保すれば、ゲームを仕事に出来るプレーヤーを増やすことが出来るのではないかと考えた
- 中田氏はプロサッカー選手を目指し大宮アルディージャのU18カテゴリでプレーしていたが、プロの夢は叶えることが出来なかった。
- しかしプロスポーツチームに関わりを持ちたいという思いがあり、別の形でプロゲーミングチームを創り上げることにした
- 自身がプロになれなかったことについて、何が足りなかったかを選手に伝えていきたい
- 自身はPUBGを300時間以上プレー。当初は2017年9月の募集開始を目標としていたが、スタッフのゲーム理解度が足りていないことから11月までプレーし、自身をもって選考出来る状態となった
ぜひ全文もお読みください。こちらを拝見した上で、いくつか気になる点について公式サイトから問い合わせをしてみたところ、1時間もしないうちに中田代表ご本人から返信をいただく事が出来ました。
下記ではその内容について紹介させていただきます。
『Zoo Gaming』は給与を支払ってのプロチームとして活動していきますが、目指す当面の目標などについて教えてください。
中田: チーム全体/会社としての目標はビジネス面としてはまず選手が金銭面での心配をすることなく、安定した収入をフルタイム制で得られるように黒字化することです。私自身プロサッカーチームの中を見てきて、やはりどれだけ良い環境で取り組めるかというのは一番考えなければならないと思っています。その中でも、ゲームをプレイしていても収入が安定するということを運営側としては重視していきます。
その次にビジネス面を除くと、PUBG部門では今月に韓国の『G-Star 2017』で開催される『PUBG Asia Invitational』は間に合いませんでしたが、次回開催があれば出場と優勝を目指します。また、アジア以外の世界大会が開催されるようであれば、そちらの出場と優勝を目指していきます。
契約選手は、オフィスやゲーミングハウスに集まって練習をするのでしょうか? もしくはオンライン経由での練習でしょうか?
中田: 当面はオンラインで練習を行います。理由としては、パートタイム制の方も含まれるためオフラインで集まって練習するということが難しいためです。
しかし、未確定ではありますがLoL部門発足時にはゲーミングハウスを東京都内か都内近郊に用意したいと考えております。その際にはLoL部門、PUBG部門の両方が使えるようにする予定です。
また、ゆくゆく全員がフルタイム制になった場合は、週に何日かはゲーミングハウスでの練習をして頂こうと思っております。
まず最初に『PUBG』と『League of Legends』を選んだ理由について教えてください。
中田: 単純にタイトルの知名度もありますが、一番大きな理由としては弊社のメンバーが興味を持っているか否かという点です。
『Call of Duty』『Overwatch』『Herthstone』なども検討していましたが、私自身含め運営メンバーが一番好んでプレイできるのが『PUBG』で、その次に『League of Legends』でした。
採用時の選考でもそうですし、私達も日々仕事としてもゲームをプレイする必要があるため自分達が好きで収益も期待できるこの2タイトルを選びました。
League of Legends部門はプロリーグの『LJL』参戦を目指し、『LJLCS』にチャレンジしていくことになるのでしょうか?
中田: LoL部門はもちろんLJLへ参戦したいと考えております。
ただ、LJL参戦への障壁が高いことも理解しておりますのでPUBGよりも長期的なスパンで結果を求めていく予定です。チームメンバー決定後に充分な時間をチームで過ごさないとLJL参戦は難しいと思いますので、焦ることなくじっくりと取り組む予定です。
まだ弊社メンバーのLoLへの理解度が足りないので募集は開始できませんが、会社全体としてLoLへの理解度を高めるのと同時にチームコーチ/マネージャーを先に募集して、2018年4月には始められるように準備を進めています。
――――
日本では「eスポーツ」ブームで企業運営チームやスポンサードなどでの参画が続々と発表されています。『Zoo Gaming』は単純にお金を出すというだけでなく、自分達もゲームをやりこみ必要知識を得た上でチームを創り上げていく方針だったり、中田代表の想いも合わせて立ちあげ発表が行なわれたことは非常に好感をもって受け入れられるのではないでしょうか。
より詳しくは、下記の公式チームページをご覧ください。