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『ESIC』、『CS:GO』観戦バグを使用したコーチ37名に対する処分を発表

『Esports Integrity Commission』(ESIC)が『CS:GO』で問題化しているコーチ観戦バグによる不正調査を行ない、その経過報告と処分について発表しました

『ESIC』、『CS:GO』観戦バグを使用した不正を調査

『Esports Integrity Commission Findings』は、esportsにおけるあらゆる不正行為を撲滅することを目的とする団体です。

今回の問題は、コーチが『CS:GO』の不具合を悪意をもって使用する事で、通常ではわからない対戦相手の居場所を把握することが可能となるもので、発覚してから『ESIC』の調査が進められてきました。

調査内容

  • 2017年以降に行なわれ大会における99,650個のデモファイル(試合の流れを記録したファイル)のうち、現時点で20%のレビューを実施
  • 特定のパラメーターを付与しながらデータを解析
  • 人力チェックにより、疑わしいデモファイルを分類
  • 疑わしいデモファイルを改めて人力チェック、誤検知だったファイルを除外
  • 調査結果を判定基準と照らし合わせて処分を決定

調査結果の証拠となる動画等は、以下のリンクにまとめられています。

かなりアクセスがあるようで、Google Driveで決められた再生回数を超えてしまっており現状では動画を見ることが出来ませんでした。

判定基準

上記の調査を元に、指標に照らし合わせて各コーチの処分が下されました。

使用した試合数

  • 3件以上:3ポイント
  • 2件:2ポイント
  • 1件:1ポイント

使用したラウンド数

  • 50ラウンド以上:5ポイント
  • 20ラウンド以上:3ポイント
  • 7ラウンド以上:2ポイント
  • 7ラウンド未満:1ポイント

処分判定

  • 36ヶ月:8ポイント
  • 18ヶ月:6~7ポイント
  • 10ヶ月:3~5ポイント
  • 5ヶ月:2ポイント以下

処分譲歩

  • 調査前の告白:40%減
  • 告白の全面受け入れ:25%減
  • 告白の一部受け入れ:12.5%減
  • 告白拒否:0%
  • 調査協力:20%減

対象者37名・出場停止期間

名前使用時チーム発覚数出場停止月数
Finland TwistaiGame.com215.75
Denmark caslemaquinas210
Argentina dinamoFurious Gaming210
Brazil ArnoZ1K4Evidence110
Denmark RejinTricked719.8
Venezuela glouDHFreestyle210
Brazil prdNeverest510
Russia nooKQuantum Bellator Fire17.5
Brazil rikzDETONA Gaming110
Brazil ApokaLuminosity
INTZ
BOOM Esports
65.4
Russia MachanoGun(zoneR)Hard Legion1636
Argentina hellpopovich9z Team210
Russia fuRy^DreamEaters17.5
Kazakstan SolaarSyman
K23
210
Denmark HUNDENHeroic28
Brazil deadSK Gaming
MIBR
56.5
Brazil guerriFURIA Esports24
Bosnia And Herzegovina pitaNinjas in Pyjamas210
Russia AKIMOVHard Legion17.5
Russia F_1NGambit Youngsters68.75
Brazil ellllllImperial
paiN Gaming
310
Brazil peuW7M Gaming25
Sweden RobbaNFaZe Clan15.5
Poland LoordTeam Kinguin
Aristocracy
26
Bulgaria ToH1oex-Outlaws
Windigo Gaming
210
Ukraine AndiNatus Vincere110
Czech Republic pepikeSuba110
France B1GGYTeam Heretics37.5
Sweden chrilleEpsilon
Red Reserve
210
Ukraine starixNatus Vincere110
Denmark aveNorth16
Norway RoSeYNordavind110
Ukraine LMBT_RHellRaisers
forZe
37.5
Denmark FeTiShHeroic13.75
Poland miNiroxAGO13.75
Bulgaria pNshrSKADE13.75
Denmark ruggahDignitas13.75

各コーチは、上記の決定に対して異議申し立てを行う事も可能で、その場合は本調査の責任者であるKevin Carpenter氏宛に理由説明を送付することとなっています。

一部のコーチ・チームは調査結果に対する声明を発表

FaZe ClanのRobbaN氏は、自ら本件に関する説明を投稿。
悪意をもって不正を行なったことはなく、画面がおかしい事については認識しており、その際にはメンバーとの会話を行なわず、審判にも報告を行なったとのこと。結果として、調査対象となった試合については16-1で敗北しています。RobbaN氏は自らの潔白を訴えると共に、自分の選択肢としてはゲームの中断やテクニカルポーズをかけることも出来たはずで、そうしなかったことについては後悔しているとのことでした。

Apoka氏は、コーチバグの問題について9月1日に自身の配信を通じて報告を実施。
バグが発生した試合については、操作を行なわないようにして公平性を保つように努めたとのこと。この際の様子は動画があり、それをもって自身の潔白を証明していました。

OGは、ruggahコーチと共にESICに連絡を行ない、調査協力を行なったことを報告。
ESICの決定について従うと共に、ruggah氏はハイレベルな競争力を維持するのに必要不可欠な人材であることから、今後も継続して取り組みを行なっていくとのことで、ファンに対して理解を求めるコメントとなっていました。

Gambit Esportsは、F_1N氏の9ヶ月間出場停止という調査結果は残念としながらも、チームの方針として不正やバグの使用を認めていないことから今回の決定を受け入れ、F_1N氏を一時的にヘッドコーチから外すことを報告していました。

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この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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