Dota 2公式世界大会2連覇の実績を持つ『OG』のCeb氏が、『The International 2025』決勝 最終ゲームにおけるAme選手のプレー分析動画を公開しています。
Ame選手について
- Xtreme Gaming所属、Carry担当(いわゆるアタッカー)
- 『The International』7回出場、2位3回(2018、2021、2025)
- Ceb氏は「無冠の王」(Uncrowned King)と表現
- Xtreme GamingはラストピックでAme選手用の「Juggernaut」を選択
- Ceb氏は試合実施時にリアルタイムで「ラストにJuggernautはかなり良いピックだと思う。怖いね」とツイートしていた
Very nice last pick jugg, scary
— Ceb (@Ceb) September 14, 2025
動画ではこの「Ame」選手のプレーに注目し分析が行なわれています。
武器購入に対する疑問
- Ame選手は「Battle Fury」→「Manta Style」→「Butterfly」の順でコアアイテムを購入
- Ceb氏はskiter選手の「Medusa」対策として「Butterfly」ではなく「Diffusal Blade」を買うべきだったと指摘
- 「Medusa」の「Mana Shield」は、受けたダメージについてマナを消費してカットする。そのため「Medusa」は耐久力が高い。
- 「Diffusal Blade」は攻撃1回毎に「40」マナを削ることができるため、「Medusa」を倒すために必要となるアイテムだったと指摘
- 4つ目として「Monkey King Bar」を積んだ理由が不明。「Medusa」を倒したいならば「Diffusal Blade」が必要で、「Monkey King Bar」を買っても他のヒーローを倒すことにしか役立たない


3つのミス・不運
Ceb氏は武器ビルドに加えて、Ame選手の最終ゲームプレーには大きく3つのミス・不運があったと説明しました。
- スキルを使わずに倒されてしまった集団戦
- Omnislash不発
- 最終局面でOmnislashを温存した判断
1. スキルを使わずに倒されてしまった集団戦
- 該当パート(38:35~) https://youtu.be/WZYOrdgagvg?t=2450
- 「Medusa」は死んでも生き返ることができる「Aegis of the Immortal」を保有
- 「Ame」は攻撃を仕掛けるが、「Blade Fury」や「Healing Ward」を使うことなく簡単に倒されてしまった
- 「Ame」が時間を作れていれば、Earthshakerのスタンによるホールド、Refresher Orb を持ったShadow Fiend、「Ame」のアルティメットがあり、間違いなく「Medusa」を2回倒せていた
- 「Ame」が90秒の復活待ち、ミッドのバラックス、トップのタワーを失う結果となった
- 「Ame」はここまでファーミングに多くの時間を費やしており、ついに加わったチームファイトでの痛恨のミスで、ここが勝負の分かれ目となったとコメント

2. Omnislash不発
- 該当パート(46:39~) https://youtu.be/WZYOrdgagvg?t=2939
- Earthshakerがアルティメット発動から2キルし、XGはMedusaが単独状態、Naga SirenはHPローで助けられない状況
- Ameが「Omnislash」を放つも、Medusaは「Outworld Staff」を使用して回避
- 後続のクリープがもう少し前に来ていれば「Omnislash」が止まらず継続していた可能性があった ※その場合、Medusaに対するダメージは分散してしまうが
- Ceb氏はアルティメット発動が「0.5秒早かった」とコメント
- Ame選手のアルティメットは120秒クールダウンとなり、XGはチーム全体で引くしか無くなってしまった




3. 最終局面でOmnislashを温存
- 該当パート(49:34~) https://youtu.be/WZYOrdgagvg?t=3115
- 「Aegis of the Immortal」を持つMedusaをキル
- 復活後も集中攻撃でHPロー
- Ameは倒しきったと判断してアルティメットを温存
- Naga Sirenのアルティメットでとどめのアクションを妨害され、Medusaを倒しきれず
- Ceb氏は、ここで「Omnislash」を使っていればMedusaを倒せていたはずと指摘
- ただ、Medusaを倒せても流れを取り戻すのは難しい状況だった。それでも、倒せなかったことにより、本当に最後のチャンスを失ってしまったとコメント


総括:小さな判断の積み重ねが勝敗を左右する
- Ame選手は大会全体を通してすばらしいプレーを見せた
- しかし最終ゲームでベストプレーができたとは言い難かった
- Ame選手が戦犯というわけではなく、The International決勝という最高レベルの舞台では、小さな判断の積み重ねが勝敗を左右する