Valveが、アメリカ・ニューヨーク州司法長官のLetitia James氏が起こしたゲーム内アイテムの売買機能停止と罰金支払いを求める訴訟についてコメントしました。

和訳

Valveに対するニューヨーク州司法長官の訴訟について

Counter-Strike 2、Dota 2、Team Fortress 2 をご利用の皆様へ

ニューヨーク州司法長官が、一部のゲーム内で提供するミステリーボックス(クレート、ケース、チェストなど)がニューヨーク州のギャンブル法に違反しているとしてValveを提訴したニュースをご存じの方もいるかと思います。

Valveはミステリーボックスがニューヨーク州のギャンブル法に違反すると思っていません。ニューヨーク州司法長官から2023年初め頃に連絡を受けて以来、バーチャルアイテムやミステリーボックスについて説明に努めてきましたが、訴訟という形になったことについて残念に思います。

当社が訴訟について言及することはほとんどありません。しかし、今回は状況を説明すべきだと考えています。

Valveがゲーム内で提供するミステリーボックスの仕組みは、ゲームに限らず現実世界でも広く展開されているものです。ベースボールカードのパック、ブラインドボックスやブラインドバッグの開封は世代を超えて行なわれ、手に入れた商品の交換や売買も実施されてきました。

実世界の商品では、ベースボールカード、ポケモン、マジック・ザ・ギャザリング、ラブブが同じ方法で提供され人気を博しています。

ゲームの世界でも、当社のミステリーボックスと同じ仕組みのデジタルパックは2004年から広く提供されています。

プレイヤーは、Valveのゲームをプレーするためにミステリーボックスを開ける必要がありません。

実際のところ、ほとんどのプレイヤーはボックスを開けずにゲームをプレーしています。ボックスから手に入れることができるアイテムは、純粋にキャラクター等の装飾品で、お金を使わないプレイヤーがゲームで不利になることはありません。

Valveのゲームアイテムをギャンブルサイトで使用しているアカウントを停止する対応について、長年に渡り取り組んできたことを説明しました。

また、ユーザーが所有するアイテムに関連する詐欺や盗難に対する対策、ギャンブルサイトがSteamアカウントやValve製のゲーム内アイテムを悪用することを防止する特別な対策についても説明しました。

Valveがギャンブルサイトに協力している事実はありません。

これまで、ギャンブル・詐欺・盗難などに関連して第三者に悪用されてきた100万以上のSteamアカウントについて利用停止措置を行なっています。

ギャンブルサイトの運営を阻止し、Steamのユーザーを詐欺から守るために、トレードの取り消しやクールダウン期間を設ける機能もリリースしています。

また、ギャンブル関連企業が当社のゲームに関連する大会に参加したり、スポンサーになることを禁止しています。

ニューヨーク州司法長官が当社のゲームに対して求める多くの変更点について、深刻な懸念があります。

まず、ニューヨーク州司法長官はミステリーボックスの中身を交換できるようにしてはならないと主張しています。

ゲーム内のデジタルミステリーボックスやアイテムが、ランダムなカードが手に入るベースボールカードのパックのような現実世界の製品と異なるものであると認識しているようです。その上で、ユーザーが手に入れたアイテムをSteamのトレード機能や、コミュニティマーケットにおける売買を通じて交換可能であることを問題視しています

当社は、デジタルアイテムが譲渡可能であることは、消費者にとって有益であると考えています。現実のポケモンカードやベースボールカードと同じく、ユーザーは不要になったアイテムを売買したり交換することができるためです。

ニューヨーク州司法長官は、ユーザーがValve製ゲームでデジタルアイテムを譲渡できる機能を停止することを提案しています。

当社は譲渡できる権利は奪われるべきではないと考えており、機能を停止することを拒否します。

また、ニューヨーク州司法長官はニューヨーク在住のユーザーがVPNを使用するなどして位置情報を変更し、ニューヨーク州以外にいるように見せかける行動に備えるため、決済処理時に通常取得する情報に加え、さらなる情報を取得することも提案しています。

これは、ユーザーのプライバシーに深く踏み込む仕組みを世界中の全ユーザーに対して提供することを意味します。

同じく、ニューヨーク在住のSteamユーザーが使用するほとんどの決済方法について、すでに年齢確認の仕組みが導入されているにも関わらず、ユーザーのさらなる年齢確認を行なうために、個人情報をもっと収集するように求めています。

当社は、ユーザーが個人情報の安全性を重視していることを理解しています。事業運営と法令遵守に必要な情報のみを取得することが、当社とユーザーの双方にとって有益な方法です。

私たちはニューヨーク州が、州内における行動を規制する法律を定める権利について尊重しています。

ニューヨーク州議会がミステリーボックスを規制する法律を可決した場合、当社はそれに従い対応を行ないます。しかし、この問題について数回の検討が行なわれているものの、法律はまだ可決されていません。

そのような法律は、業界の関係者やニューヨーク州のゲーマーの意見も取り入れた、公開プロセスを経て決定されるべきです。

ニューヨーク州司法長官が当社に求める対応は、現行のニューヨーク州法の要件を大きく超えるものであり、ニューヨーク州外にも影響するものです。

Valveにとっては、ニューヨーク州司法長官の要求を飲むことが簡単で安くすむ対応となるかもしれません。しかし、そのような決定はユーザーや他のゲーム開発者に対して不利益となり、ゲームデザインにおける革新性についても影響を及ぼすものと考えます。

さらに、この訴訟はミステリーボックスに関するものですが、ニューヨーク州司法長官がゲーム、現実世界の暴力、子供たちについてコメントしたことにも対応が必要だと感じています。

ニューヨーク州司法長官の意見は本件から逸脱するものであり、これまで何度も言われてきた誤った認識です。

長年に渡る多くの研究により、メディア(映画、テレビ、書籍、漫画、音楽、ゲーム)と現実世界の暴力には関連性がないと結論付けられています。
むしろ、多くの研究はゲームが有益な影響をユーザーにもたらすとしています。

最終的に、裁判所が当社とニューヨーク州司法長官、どちらの主張が正しいかを判断することになります。

それまでの間に、ニューヨーク州およびその他地域のユーザーのみなさんに影響が及ぶ可能性について知っていただきたいと思います。

2026年3月11日

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