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NCT10はsoL(SS)が初優勝

昨日Necca秋葉原で行われたNCT10、4チームが7時間に及ぶ熱戦を繰り広げ、
見事soL(SS)が初の優勝を決めました。観戦&取材ということで私も行って
参りました。今回はその熱戦の内容と魅力、そして貴重なインタビューの
数々を余すところなくお伝えしたいと思います。

■参加クラン:soL、/quit(HJ系寄せ集めクラン)、GHOST、GreatWhite

de_infernoという「最も難しいであろうmapの一つ(談HeatoN:Gamers.nu
ask-HeatoNより)」で行われた今回のNCT10、会場についてまず驚いたのは、
場内で飛び交う聞きなれない言語。そう、今回は中国人クランということで
GHOSTとGreatWhiteの2チームが参加していました。GreatWhiteは、野鯖でも
見かけるuu氏やMerro.X氏が所属、GHOSTはhaohao氏しか見たことがなかっ
たのですが、両者ともなかなかの実力を持ったクランだと会場内で耳にし、
「これは(ネタ的にも)面白い」と期待しながら見守りました。

Ⅰ.11時40分から、第1試合/quit vs GHOSTが行われました。試合内容
を細かく書いていくとキリがないので、その辺りは後に公開されるHLTVの
demoを参考にしていただくとして、場内おおよその予想に反して前半を6-6で
折り返すという接戦ぶり。後半の結果により、 /quit がまず1勝を
あげます。 「狭いから好き。箱だらけだ」 とは、試合でもお得意の
文字スパムバインドは忘れない NOISE]HJ[氏 。初戦が海外チームだ
った事に関しては、 「相手が何人だろうと全力を尽くす。ただ実力が未
知数なだけに緊張しました」
とスポーツマンらしいコメント。

Ⅱ.その後行われたのは、第2試合soL vs GreatWhite。こちらも両者
ともに健闘を見せ、十分に試合として楽しめる内容。結果soLが勝利を収め
ます。 「バランス型の典型的map。実力差、個人技の差が重視されるの
ではないか」
とは soLリーダーCartier 。相手に関し
ては、「国際色豊かで良い。もっともっと参加して欲しい」との事。

Ⅲ.結果、海外クラン2チームが敗者バケットに移り、第3試合は GHOST vs
GreatWhite
。この試合は、GreatWhiteが勝利を収めます。 「思った
より作戦等を練り上げてきている。」
とは観戦したD2-BRZRK氏
日本語の出来る方がなかなかいなかったので、 GHOSTのhaohao
にお話を伺ったところ、 「私達は全員中国からの留学生。各自
家からオンラインでもPlayするし、Necca等で5人集まっての練習も良く
する」「日本のクランは強いですね」「これから先も積極的に参加して
いきたい」
との事。

Ⅳ.この後、勝利者バケットの決勝/quit vs soLが行われ、/quitが
勝利します。(記者所用のため離席中)

Ⅴ.ダブルイリミネーション方式により行われた、勝利者バケット2位対敗者
バケット1位のsoL vs G.White戦。 途中、「これはどうなるか
分からないぞ」
とのBRZRK氏のコメントの通り、接戦をなんとかsoLが
制し、/quitとの決勝にコマを進めます。

Ⅵ&Ⅶ.そして迎えた決勝戦、 /quit vs soL 。これもすばらしい接
戦となり、1ラウンド終わるごとに、そして3人抜きや4人抜きが出るたびに、
「っしゃああああ」「きてるよきてるよ!」 と両チームから雄叫び
があがります。両者とも全力を尽くした結果、 soLが/quitに勝利
ダブルイリミネーション方式により、決勝は再戦となります。そして第7試合
目となった最終戦、soLが見事/quitを下し、念願の初優勝をとげ、記念
すべき10回大会の覇者となりました

「寄せ集めの集団であったけど、出ると決まってからは可能な限り練
習した。WCG予選の時のCvOのように、クランを脅かす存在となれたことは
嬉しく思う。善戦しましたよ。」
とは 第1回WCG日本代表チームの
一人でもある、/quitのDre@mer[GoG]氏
「海外、国内を問わず、
新規の参加チームが増えるのは嬉しいこと。こういう大会をきっかけにも
っとLANでのCSも盛り上がって欲しい」
とのコメントも頂きました。
また、「これぞまさにCSの醍醐味!」 とはWCG関係などでお馴
染みのCrize氏。

「練習不足はあった。しかし勝利できたことは素直に喜びたい」
とは 見事優勝を決めたsoLのCartier氏「これまで何度もNCTに出
てきた。やっと優勝できたのは嬉しい。実質3日で作り上げた今回のメン
バー。練習不足はあったと思う」
とは JCLLオールスターにも選出さ
れているsoLのCatastrophe氏
のコメントです。

soL初優勝おめでとう!

■ここからは、いくつか厳しいお話も少々。 Necca秋葉原CS担当の方曰
く、
「やはりD2の不在は大きい。今回ここまで実力が接近した試合
になるとは思わなかった。これはうれしいことでもあるが、逆にみればD2
がいたらどうなっていたのか?」
とのこと。

■観戦に駆けつけた D2-Xray氏とnL-KeNNy(D2-RELOAD)氏 曰く、
「LANの大会は出ないことには始まらない」「もっともっと参加チームが
増えて欲しい」
とのこと。また、 「新しいD2に期待してくれ!」
(D2-Xray氏)とのコメントも頂きました。

【総評】今回のNCT10はお昼の試合の合間に、D2-BRZRK, RELOAD, ITOSIN氏
のトークライブ(クラン名はWCG時を使用)も行われました。その内容と、
個人インタビューを踏まえ、総評を D2-BRZRK氏から頂きました。

「WCGでも強く感じたことだが、そろそろ日本のクランやCSプレイヤーも
高みを目指すのか、そうでないのか、姿勢を定めるべきだと思う。LANと
オンラインは全く違う。これは何度も言って来たことだが、今回のWCG2で
現状の日本CS界にあり方では埋められないものだ と感じた。中国
チームなどの新規参加は大変有意義だ。今、チートに関することなど何かと
ネガティブな話題が多いCSだが、戦いによってでしか、結果によってでしか
見えないものもある。こうしてたとえ4チームであっても、LANでの大会が
行われていることはCS界には欠かせないことだろう。」

「優勝したsoLに関して言えば、まずは優勝おめでとうと言いたい。しかし、
寄せ集めの集団に対してここまで苦しめられたという事実は真摯に受け止
める必要がある。一人二人のキープレイヤーが死亡すると、一気に崩れる点
などはクランとして脆いといわざるを得ない。CSは全員が司令塔になれる力
が必要とされる。soLには更なる挑戦を望みたい」とのコメントでした。

■次回のNCT11は 1月26日にde_nukeを使用して行われます。 今回
から優勝クランが次回大会のmapを決めるという方式が採用され、de_nukeと
なった訳ですが、これはゆっくりと時間をかけて錬度の高い試合を望みたい
との意向から。地理的、時間的な条件がいろいろとありはしますが、さらな
る高みを目指すためにも、多くのクランに参加して欲しいと私も感じました。

■記者雑感:このような形でおこなわれたNCT10。やはり特筆すべきは、D2
不在の大会であったことと、2つの海外チーム参加でしょう。感じたことは
D2-BRZRK氏の総評の中で氏が代弁してくれています。それから、気になる
観戦者の方は決して多いとはいえない数。フロアの前半分でNCTが行われて
いても、後ろ半分のお客さんはなかなか興味をしめしてくれない。e-sport
的に捉えるならば、もっともっと周りが盛り上げていくことも大切ではな
いかとも感じました。それから・・・

試合の合間にnL-KeNNy氏とsoLのメンバーが1on1、1on2に興じる場面や、
BRZRK氏とKeNNy氏が試合内容をお互い分析しあう場面などが見られました。
見ていて思ったことは、世界を見た選手は違うということ。1on1では
その圧倒的な技術に、私などはただただ驚くばかりでした。

最近Playしていても、「○○はチーターだ」「D2ってチートしてるんで
しょ?」等の 勘違いした意見を見かけます 。初心者から見れば、
人間業と思えない技術レベル。しかし、これが世界を見た、そして高みを
目指すPlayer達なんだと感じました。心無いコメントをする前に、その目で
見て欲しい。それが今後の日本CS界を盛り上げていくに欠かせない事だと
強く感じながらNeccaを後にしました。

■参加したPlayerの多くがこう言っていました。「チーターは○ね!」
「no-recoilはすぐばれるよん」(D2-BRZRK氏)

参加した皆さん、運営のNeccaの皆さん取材協力ありがとうございました。

この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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