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CS:GO日本王者DeToNatorと元CS1.6プロチーム4dNメンバーで構成されたレジェンドチームのエキシビションマッチレポート

DeToNator & CSレジェンドチーム

「東京ゲームショウ2015」EIZO/MSI/SteelSeriesブースにて、Counter-Strikeコミュニティ大注目のエキシビションマッチが9/19(土)に実施されました。

CS:GO日本王者DeToNator vs CS1.6レジェンドチーム(4dimensioN)

DeToNatorは多くの企業スポンサードを獲得しながら、様々な大会での入賞や、国際大会出場の実績を持つ日本を代表する現役プロゲームチームです。

DeToNator
DeToNator: 左より sakura、Norisen、shoushi、akioni、impalement

対するCSレジェンドチームは、10年以上前にゲーミングハウスでの強化練習、海外ブートキャンプ、プロ契約と日本の競技ゲーミングシーンを牽引する活躍を見せた Japan 4dimensioNのメンバーで構成されています。

CSレジェンドチーム
CSレジェンドチーム: 左より Noppo、XrayN、ENZA、KeNNy、Paranoiac

当時、Noppo氏が4dimensioNに加入したのと同時にXrayN氏が脱退となっていたため、このメンバーで公式戦に臨んだ事はありません。イベントでのXrayN氏はコメントにて、「今回が4dimensioNで一番やりたかったメンバー。自分にとってのドリームチームです。」と10年ぶりに実現した奇跡の集結を喜んでいました。

オフライン経験豊富なレジェンドチームが現役DeToNatorを脅かす

今回のイベントはde_infernoにおける一発勝負で行なわれました。

ENZA
ENZA (CSレジェンドチーム)

KeNNy
KeNNy (CSレジェンドチーム)

XrayN
XrayN (CSレジェンドチーム)

Paranoia
Paranoiac (CSレジェンドチーム)

Noppo
Noppo (CSレジェンドチーム)

akioni
akioni (DeToNator)

sakura
sakura (DeToNator)

shoushi
shoushi (DeToNator)

Norisen
Norisen (DeToNator)

impalement
impalement (DeToNator)

レジェンドチームはこのイベントが決まってからブランクを埋めるため練習してきたものの、やはり現役と渡り合うのは厳しいと見てか「10ラウンド取れれば良いかなと思っています」とコメント。

そんなレジェンドチームですが、カウンターテロリストサイドからスタートし1stラウンドを殲滅させて取得するとアドバンテージを得てそのまま3ラウンドを連取。

DeToNatorは4ラウンド目に装備を整えると反撃を開始し、会場が大いに盛り上がるシーソーゲーム展開に。前半は8-7でDeToNatorがリード。

前半はDeToNatorリード

後半1ラウンド目はテロリストとなったレジェンドチームが取りますが、その後は DeToNatorが現役ならではのテクニックや、マップ知識を活かした連携・カバーでレジェンドチームの攻撃を封じ込め、最終スコア16-9で勝利となりました。

Noppo
レジェンドプレーヤーNoppoもやられてしまう

DeToNator
DeToNatorの連携した手堅い守りが印象的

握手
試合後には握手で健闘を称え合うトッププレーヤー達

握手

自分はレジェンドチーム側からプレーを見ていたのですが、レジェンドチームが試合に貢献出来ていたのはオフライン慣れや、これまでに培ったLAN対戦ならではのテクニックが要因となっていたのではないかと感じました。

その1つが、自分のモニタだけでなく仲間のモニタを見て情報を得るテクニック。

モニタテク

モニタテク

レジェンドチームは、このテクニックを頻繁に使用してマップの状況を確認しており、自分の画面を全く見ずに仲間のモニタからの情報を得て展開するようなシーンも見られました。

また、LANで騒がしい環境にも負けないよう、大声をはりあげて素早く手短に情報を伝えたり、時には身を乗り出して伝達することで確実に仲間に情報を伝えることを心がけていたように見えます。

後にKeNNy氏にこのことについて質問してみたところ「僕らは体に染みついちゃっているので、自然にそういう風になっていましたね」との返答で、もはや当たり前の動きという感じだったようです。

今回のエキシビションマッチは、現役トップの DeToNatorがその強さを見せつけてくれた他、CSレジェンドチームがブランクをものともせず好勝負に持ち込んでくれた最高の試合という印象でした。

実況のYamatoN氏は、XrayN氏が制作したフラグムービーを見て、解説のdAicoN氏も4dNメンバーのドキュメンタリテレビ番組「プロゲーマーを目指す若者達」を見てFPSを始めた「4dNチルドレン」ということもあり、実況解説のテンションが異常かつ見ていて本当に幸せそうなのが印象的でした。

試合の動画は以下から視聴することが出来ますので、ぜひチェックしてみてください。

実況解説陣
左 YamatoN氏、右dAicON氏

配信アーカイブ

イベント写真

DeadlyDrive、4dimensioN、Speeder、そしてDeToNatorへ

以下は、日本のCounter-Strikeシーンを10年以上見てきた自分の想いを含む内容となります。

2000年初期からこれまでに、日本には多くの素晴らしいチームが登場してきましたが、その中でもシーンを牽引する4つのチームが存在していたと思います。

まずは、2000年初期にQUAKE3を前身とする Japan DeadlyDrive (D2)がQUAKE3のトッププレーヤーに加えて、Japan KeNNy選手などを含めたCounter-Strike部門を設立し、当時としては革新的な戦略プレーを持ち込み日本シーンを席巻。日本代表として世界大会に挑戦しました。

Chaos vs OrdersのXrayN、Frozen ShadowのENZA、ParanoidのParanoiac、そしてKeNNyはD2を経て、世界を獲ることを目標として4dimensioNを結成。スポンサーを獲得しプロのFPSチームとして世界大会に挑み日本のCounter-Strikeファン達を熱狂させました。

4dimensioN後期にはアーケード版「Counter-Strike NEO」で頭角を現した新たな才能 Noppoがチームに参加。しかし、4dimensioNも活動を停止することになり、NoppoはCounter-Strikeの本場に挑戦するためスウェーデンに留学。留学を終えて日本に帰国したNoppoは当時のトップ選手を集めてTeam Speederを結成し様々な世界大会に挑み、2012年には元Speederのメンバーを含む構成でアジアチャンピオンの座を獲得しました。

そして日本Counter-Strike: Global OffensiveシーンのトップチームであるDeToNatorは、このような経緯を経て活動してきたメンバーで構成された「CS1.6レジェンドチーム」とエキシビションマッチで対戦。試合後には、Counter-Strike1.6後期から現在のCS:GOまで歴代チームの魂を引き継いできたNoppo氏がチームにコーチとして参加することが発表され、DeToNatorはこれからの日本シーンを率いるチームの1つとなっていくのではないかという期待を持ちました。

今後、日本のCS:GOチームが切磋琢磨し、ファンが応援したくなるような世界で活躍する日本チームがたくさん誕生するような素晴らしいコミュニティとなっていくことを願っています。

DeToNator [vs] CS1.6レジェンドチーム エキシビションマッチ

この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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コメント (0)
  1. yokky13 より:

    なんて素晴らしいレポート