2025年から適用となる『Counter-Strike 2』のeスポーツ展開に関する説明が公開されました。
『Counter-Strike 2』2025年からのeスポーツ展開
主なポイント
- 2025年から新たなルールを適用
- トーナメント運営者は、出場チームとのビジネスや利害関係を持つことができなくなる
- 大会の招待チームは、公式ランキングとオープン予選によって決定する
代表的なものとして「Louvre Agreement」と呼ばれる『ESL』とプロチームのパートナー契約があります。リーグを長期継続することが目的で、パートナーチームには出場枠の保証、収益の分配などが行なわれています。2025年からは、こういった仕組みが認められないことになります。
参考
- 『ESL』が13のCS:GOプロチームと契約、「ESL Pro Tour」を対象とする大会収益の分配や長期的な「パートナーチーム枠」出場権を付与
- 『ESL』と14のプロチームが『ESL Pro League CS:GO』共同展開に関するパートナー契約を2025年まで延長
公式発表 和訳
An update on the future of Counter-Strike esports: https://t.co/WYrYMf7zNZ
— CS2 (@CounterStrike) August 3, 2023
Counter-Strikeは、公平な場で競い合い、成功への道がプレイヤーの実力のみである場合に最高潮となります。
ここ数年、プロフェッショナルCounter-Strikeはその理想から遠ざかっています。エコシステムは次第に閉ざされ、最高レベルの競技シーンへの参加はビジネスの関係性によって制限されています。
私たちは、Counter-Strikeがオープンなスポーツであるべきと考えています。そこで、大規模な競技イベントの運営に新たな要件を追加することを決めました。詳細については協議を進めていますが、主要な点は以下の通りです。
- トーナメント運営者は、出場チームとの間に独自のビジネス関係や利害関係を持つことができなくなります
- 全てのトーナメント招待チームは、Counter-Strikeの公式ランキングシステムまたはオープン予選によって決定されます
- 詳細:https://github.com/ValveSoftware/counter-strike/tree/main/regional_standings
- 翻訳したものをこの記事内にも記載
- 出場チームに対する報酬(賞金プールほか)は公開され、コミュニティが確認出来る客観的な基準に基づいて決定されます
トーナメント運営者は長期的な取り組みをすでに進めているため、この仕組みは2025年から適用します。移行においていくつか荒削りな部分があると思います。私たちはスポーツとしてのCounter-Strikeの長期的な健全性にコミットし、明るく開かれた未来となることを楽しみにしています。
公式ランキングシステムについて
掲載元:https://github.com/ValveSoftware/counter-strike/tree/main/regional_standings
チームは年間を通じてサードパーティーのイベントで有意義な試合を行ないます。メジャー大会出場者の負担を減らし、メジャー出場資格の獲得プロセスを効率化するため、サードパーティーの試合結果を活用して、資格ステージに招待するチームを決定していきます。
Regional Standingsの目標は、正確で簡単に操作されず透明なプロセスを持つようにすることです。
Regional Standings (地域順位)
今後のイベントでは「Regional Standings」を使って招待チームを決定していきます。理想的なモデルは、将来的な試合の結果を予測することができるものです。そのため、現在のモデルには以下の要素を含めています。
- チームの獲得賞金
- 対戦相手の獲得賞金、勝利数
- 直接対決の結果
詳細について興味をお持ちでしょう。今後数週間ほどで、ランキングを生成するのに使用する実際のコードとサンプルデータセットを公開予定です。
Invitations (招待)
ランキングはオープン予選の実施までに順次更新していきます。このランキング最終順位によって、クローズド予選に招待するチームが決定されます。招待されなかったチームは、出場権を獲得するためオープン予選に出場する必要があります。
現在のランキング
Evaluating the Model (モデルの評価)
モデルの精度を評価するために採用しているアプローチは、試合での予想勝率と実際の勝率の関係性を測定することです。
データセット内の各週の試合結果を元に、前週の「Regional Standings」を使用してチームにポイントを割り当てます。このポイント差によって、各試合の予想勝率が割り当てられます。この勝率を5%ごとにわけ、それぞれの実際の勝率を測定します。
現在のモデルでこのプロセスを実行すると、期待勝率と実際の勝率は以下のようになります。
予測勝率と観測勝率には強い関係性があります。両者の相関関係は0.98となっています(このケースにおけるスピアマンの順位相関係数はロー)。しかし、グラフの勾配は私たちが期待するものよりも浅くなっています。理想としてはこの直線の傾きは1に近いはずです。現在のモデルでは、勝率が低い方をを過小評価し、高い方を過大評価する傾向が見られます。
これは良い出発点であると思っています。
Updating and Improving the Model (モデルの更新と改善)
本日リリースしたモデルは、次のメジャー大会まで使用するモデルとなります。継続的に実験を行なう予定ですし、みなさんにも実験していただけたらと思います。GitHubリポジトリでコードとデータが公開された後には、自由に手を加えて新しいものを作って下さい。あなたのモデルがうまくいき、私たちの目標に合っている場合は、喜んで取り込みを検討いたします。