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『OpenAI Bot』が『Dota 2』元プロ・キャスターチームを圧倒、次は公式世界大会のイベントでプロ選手と対戦

2018年8月6日、人工知能による学習でプレーを行なう『OpenAI Bot』と元プロ・キャスター・現役プロの人間チームによる対決が行なわれAIチームが2-1で勝利しています。

OpenAI Five Benchmark

『OpenAI Five Benchmark』では、1日に180年相当という驚異的な学習が可能な『OpenAI Bot』で構成されたチーム『OpenAI Five』と、元プロ・キャスター・現役プロを含む「99.95th percentile Dota players」がBest of 3(2試合先取制)で対戦を実施しました。

99.95th percentile Dota players

  • United States William “Blitz” Lee (元プロ、キャスター、コーチ、ストリーマー)
  • United States Austin “Capitalist” Walsh (キャスター)
  • United States Ioannis “Fogged” Loucas (元プロ, キャスター)
  • United States Ben “Merlini” Wu (元プロ, キャスター)
  • Canada David “MoonMeander” Tan (compLexity Gaming所属 現役プロ)

このイベントはオフラインにて実施され、まず来場者5人と『OpenAI Five』による対戦が行なわれましたが、わずか14分という圧倒的な試合展開で『OpenAI Five』チームが勝利し、観戦者を驚かせました。

以前に開発者チームと対戦した際は使用ヒーローを制限してのゲームでしたが、使用ヒーローを選択するドラフトに対応。「99.95th percentile Dota players」との対戦では、通常の競技と同じくドラフトを通じて使用ヒーローを決定。

「OpenAI Five」は攻撃可能範囲内に入った時の火力がすさまじいのが印象的で、スキルが入れば5割近く体力を削り取ったり、通常攻撃でもかなりの被害を受けたりと人間チームはレーンを維持するのがかなりきつそうでした。

攻撃可能範囲の判断や、最大で打ち込めるダメージ量の計算が正確なのは非常におそろしく、人間側が攻撃をしかけてもカウンターのスタンから一気に倒されてしまうという展開も見られました。

「Lich」「Lion」「Crystal Maiden」という3大サポートヒーロー3人をオフレーンに配置したり、「こんなところにWardをおくのか」といった定石外れの戦略・プレーもあり「AI」が研究することで人間とは異なる戦略が発見されそうなのは非常に面白さを感じました。

視界を取る「Observer Ward」を同エリアに設置してしまうというBotらしからぬミスがあったのも興味深いところです。

ゲームは1試合目、2試合目を『OpenAI Five』が圧倒。非常に息の合ったGank(奇襲攻撃)で人間側が削られていき、AI側がゲームを支配する展開でした。ゲーム3は人間チームが『OpenAI Five』の攻撃の軸となるヒーローを徹底的に潰すことで主導権を握り勝利。トータルではAIチームが2-1で勝利という結果で幕を閉じました。

2018年8月15日より開催される公式世界大会『The International 2018』イベント内では、プロ選手で構成されたチームとの対戦イベントが予定されています。

2018年8月15日より開催される公式世界大会『The International 2018』イベント内では、プロ選手で構成されたチームとの対戦イベントが予定されています。

試合アーカイブ

以下では、OpenAI Botの最新アーキテクチャモデルの図解を見ることが出来ます。

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この記事を書いた人
Negitaku.org 運営者(2002年より)。Counter-Strikeシリーズ、Dota 2が大好きです。 じゃがいも、誤字脱字を見つけるのが苦手です。

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